７３。 ページ39
. キヨside .
インターホンの呼び鈴が遠くで鳴っている。時計を見ると深夜の2時を回っていた。
「っだれだよ…こんな時間に…」
モニターを見ると、久々に顔を見る人だった。
「え、レトさん。どうしたの？」
『あ、キヨくん寝てた？Aちゃんの迎えに来たんだけど』
迎え、呼んだっけ？Aさんが呼んでた？いや、手繋いだままだったし…
寝起きで頭が回らない。
「お邪魔しま〜す。あ、寝室向こう？」
「ふあぁ…ん。その奥」
「やっぱり寝てたよね、ごめん。電話したんだけどさ」
スマホを見ると不在着信が3件。
気づかなかった、と俺が謝るのも聞いていない様子で、すぐに寝室に向かうレトさん。
「…っと。介抱してくれてありがとうね」
そう言いながら軽々とAさんを抱き上げて、俺の横を通る。
彼の雰囲気がいつもと違うことはなんとなく感じととっていた。
「次からはすぐ呼んでくれていいからね。俺の"彼女"だからさ」
にこやかに笑っているけど、目の奥の圧が痛いほど感じられる。
もしかして、牽制されてる？いや。そんなまさか。
思わず目を逸らし、曖昧に言葉を紡ぐ。
彼女には幸せになって欲しい。だから、これまで自分の感情を我慢してきた。
それなのに考えてしまった。考えずにはいられなかった。
彼女が1番苦しんでいた時に側にいたのは、俺なのに。
俺の方が彼女を幸せにできるのに、って。
「それってさ…自分のため、でしょ」
言うな。やめろ。今ならまだ引き返せる。
心の中で誰かが叫んでる声が聞こえた気がした。
「Aさんのこと、本当に大切なら、もっとちゃんと考えた方がいいんじゃない？」
何言ってんだ俺。自分でも訳が分からなくなりながら、顔を上げる。
「…ご忠告どうも。酔っ払いの説教はまた今度聞くから、今日のところは帰るね。キヨくんはゆっくり寝なよー」
その姿は、普段のレトさんだった。さっきまでのおかしな雰囲気は俺の妄想だったのかとすら思えるくらいに。
その日は一睡もできなかった。俺の方が彼女を幸せにできるはずだという考えが頭から離れない。
やっぱり、この気持ちを隠し続けるなんて無理だ。耐えられない。
俺が彼女を幸せにするしかない、って。
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ちゅ〜る - 更新してくれてありがとうございます！更新されてるのを見て嬉しすぎて叫びたくなっちゃいました、もう内容が好きすぎて...！お忙しいと思いますが更新頑張ってください！心から応援しています(o^^o) (2021年2月17日 0時) (
レス) id: cb42e8d372 (このIDを非表示/違反報告)
Malia(プロフ) - 遅コメ失礼致します(о´∀`о)めっちゃ好きなんですが心臓が持ちません_(┐「ε:)_主様は今お忙しいのかな…?夜しか眠れないほど続きが楽しみです(●´ω｀●) (2020年9月20日 2時) (レス) id: b99f87fcb7 (このIDを非表示/違反報告)
Misya - 突然のコメント失礼します!ぴより様のストーリーが好きすぎて、ファンになりました！更新頑張ってください！ (2020年3月1日 19時) (レス) id: 6862801167 (このIDを非表示/違反報告)
ぴより(プロフ) - にぼしさん» コメントありがとうございます…！！にぼしさんの性癖に刺されて嬉しいです（；＿；）！更新遅くて申し訳ないですが気長にお付き合い頂けたら嬉しいです！！ (2020年2月20日 22時) (レス) id: f82d25de14 (このIDを非表示/違反報告)
にぼし(プロフ) - 突然のコメント失礼します…ぴより様の書かれるれとさんが性癖過ぎてしんどいです…更新頑張ってください！ (2020年2月9日 23時) (レス) id: 6acb1113f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴより | 作成日時：2019年11月6日 23時
