５２。 ページ18
. キヨside .
「わわ、わわわわ！」
「Aさん、足はハの字！ハ！」
どん！と鈍い音と共に雪を被るAさん。スキーはどうやら苦手な様子。
「っいてて…」
下まで戻ってきた俺たちはもう一度リフトに乗って上まで行くことに。とは言ってもコースは短く初心者向け。俺は少し飽きてきたところだった。
「もういっこ上、行きたいです！」
先程の大コケの後でどこから自信が湧いてるのか全く見当もつかないがそう懇願されて断れる方法も知らない。滑ることはできるから、なんとか降ることはできるだろう。
「よしいくかー」
「はい！…あ、フジくん！」
フジは1人で滑り込みをしていたが、ひと段落ついたようで、先にご飯頼んでおくねと言い残してニコニコしながらレストハウスに入っていった。
「はーい。ゆっくりどうぞー」
リフト券を2枚渡し、お兄さんに案内される。少し緊張したような強張った顔つきのAさんの顔は寒さで赤く染め上がっている。
「何回乗っても緊張しますね…！」
「ふっ、ほら。ちゃんと掴んで」
足元にスキー板の重みがずっしりと乗った途端、安心したのか、柔らかな顔つきになったAさん。周りの景色を見ながら楽しそうに話しているけど、俺の耳まで声は届かない。
側から見たらカップルに見えるのかな、なんて。
「えっ！？っあ！」
「！…っ！あぶね！」
突然の大きな声に驚いたその瞬間、Aさんの手元からストックがすっと落ちた。
俺は反射的に落ちかけた紐をなんとか掌に押さえ込んだ。良かった、と安堵するのと同時にリフトが大きく揺れていることに気付く。
「ごめんなさい！私のせいで…」
「大丈夫、大丈夫。すぐ落ち着くから」
そう諭すと、すぐに揺れは収まった。
クールに装ったものの、内心焦っていた。昔リフトから落ちかけたことがあったから。ドキドキと心臓が鳴っている感覚が気持ち悪い。
「あ、あの…手…」
「へ？」
持っていたはずの紐は彼女の手がしっかりと掴んでいて、俺の手は彼女の手を掴んでいた。
「…ほら、また落としちゃ困るし…！」
「うっ…言い返す言葉もない…」
「それに、寒いじゃん。あ、ほらつくよ」
ゴーグル、つけておいてよかった。ひどい顔見られずに済んだ。
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ちゅ〜る - 更新してくれてありがとうございます！更新されてるのを見て嬉しすぎて叫びたくなっちゃいました、もう内容が好きすぎて...！お忙しいと思いますが更新頑張ってください！心から応援しています(o^^o) (2021年2月17日 0時) (
レス) id: cb42e8d372 (このIDを非表示/違反報告)
Malia(プロフ) - 遅コメ失礼致します(о´∀`о)めっちゃ好きなんですが心臓が持ちません_(┐「ε:)_主様は今お忙しいのかな…?夜しか眠れないほど続きが楽しみです(●´ω｀●) (2020年9月20日 2時) (レス) id: b99f87fcb7 (このIDを非表示/違反報告)
Misya - 突然のコメント失礼します!ぴより様のストーリーが好きすぎて、ファンになりました！更新頑張ってください！ (2020年3月1日 19時) (レス) id: 6862801167 (このIDを非表示/違反報告)
ぴより(プロフ) - にぼしさん» コメントありがとうございます…！！にぼしさんの性癖に刺されて嬉しいです（；＿；）！更新遅くて申し訳ないですが気長にお付き合い頂けたら嬉しいです！！ (2020年2月20日 22時) (レス) id: f82d25de14 (このIDを非表示/違反報告)
にぼし(プロフ) - 突然のコメント失礼します…ぴより様の書かれるれとさんが性癖過ぎてしんどいです…更新頑張ってください！ (2020年2月9日 23時) (レス) id: 6acb1113f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴより | 作成日時：2019年11月6日 23時
