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「恋がいけないことって、教えてくれなかったから。だって、こんなに好きにさせた先生のせいだよ」
私に振り向いてくれない先生が悪いんだからね。そう言うと、彼は憤慨しながら涙を流した。小さく呟いた名前は、憎いあの子の名前だった。
「先生があの子のこと好きなの、知ってたよ。だから壊してあげたのに、どうしてあの子の名前を呼ぶの？私がいるのに。私の愛の方が本物なのに。ねえ、」
「っるせえ！」
鈍い感覚が頬に伝わる。拳で殴られたのだと分かるのに少し時間がかかった。ああ、この痛みさえ心地いいなんて、私やっぱりおかしいね。
「嬉しい…先生の愛、伝わってるよ。この痛みも、全部全部私だけのものだもんね」
先生は震えていた。正しく言えば、怯えていた。絶望と怒りと苦しみで先生がおかしくなっていることは私が1番分かっていた。
「意味わかんねえ…ッ」
力が抜けたのか、その場に座り込んだ先生。しゃがみこんで、視線を絡める。先生の瞳に光はなかった。
「先生。私、愛してます。だからもっと傷付いて。先生のこと受け入れる人、私しかいないんだよ」
ずっとずっと触れたかった先生の綺麗な造形をした輪郭に手を伸ばす。震える手に払われて、それでも先生の余力は残っていなかった。
「誰のせいだよ…誰の…」
私が先生の人生を壊したように、あなたも私の人生を壊したんだよ。17回目の夏、はじめての想いにここまで溺れることになったのは。先生がいたからだよ。
「おまえ…狂ってるよ」
冷淡な覇気のない声で、私の瞳を捉えてそう呟く先生。やっと、こっちを向いてくれた。私の愛に応えてくれた。彼が壊れていく。みんなみんな私が壊した。地位も名誉もあなたが想っていた女も、全部私が壊してあげた。だからもう、私しかいないんだよ。
ねえ、先生？
fin.
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ぴより(プロフ) - 妄想少女Ｍさん» まさかのレトルトさんが彼女！笑笑 意外とその解釈もありですね！(！？) (2019年11月23日 10時) (
レス) id: f82d25de14 (このIDを非表示/違反報告)
ぴより(プロフ) - 瑞乃さん» コメントありがとうございます〜！楽しんでもらえて嬉しいです…！！書いた甲斐があります〜！ (2019年11月23日 10時) (レス) id: f82d25de14 (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女Ｍ - ちょい役だったrtさんが彼女なのかと思いましたw (2019年11月22日 20時) (レス) id: 701d3cb7a2 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - ひぇっ……終始ニヤニヤしながら見てました……好きです……！！！！ (2019年11月18日 23時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴより | 作成日時：2019年11月12日 17時
