７５。 ページ2
.
「えー！そうなんですか？すごい！」
「うわあ、男の夢じゃないっすか」
「いやいや、そんなことないですよ。」
事務所の給湯室はなにやら賑わっている様子。気にせずデスクにつくと、内藤さんに手招きされる。
「どうしました？」
「あれ、引き抜きの件の子なんだけど。休憩時間終わってるから呼んできてくれない？」
「え、なんで私が…」
「いいから！ほら、挨拶もまだでしょ」
渋々給湯室の扉を開き、失礼しますと声をあげる。盛り上がっていた会話がピタッと止み、視線はこちらに注がれた。
「えーっと…仕事の時間だって、内藤さんが」
「うわ、ほんとだ！またあとでね、榊ちゃん！」
「榊さん、またお話聞かせてくださいね。」
いかにも好青年、という顔つきの彼が新人の榊くんらしい。引き抜かれるくらいだから、相当な実力者なのだろう。
「はじめまして！榊ハジメと申します。Aさんですよね。これからよろしくお願いします！」
「あ、はじめまして。よろしくね榊さん」
人見知りのため、こういう挨拶は何度やってもぎこちない。一方の彼はそうじゃないみたいだけど。
私が握手のために差し出した右手を、彼は両手で掬い上げてなにやら観察している。
「あ、あの…？」
「あっ、すみません！昔マッサージ屋で働いてたんで、手とか肩とか触れると見てしまう癖があって…！気持ち悪いっすよね、すみません」
「は、はあ…」
反省してません、と顔に張り出されてある彼の人柄は職場の人には好かれているようだけど、私は少し苦手だ。いや、大分苦手。
まあ、無理して関わらなければいいか。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 375人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れ - 更新待ってます> < (12月10日 0時) (
レス) @page12 id: 4dd8741af5 (このIDを非表示/違反報告)
ち(プロフ) - ストーリー最高です…続き見たいです… (2023年1月18日 4時) (レス) id: d4b54274d8 (このIDを非表示/違反報告)
しょ - いつも更新楽しみにしてます！続きが気になる〜〜 (2021年11月15日 21時) (レス) @page8 id: 28681cdda9 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - ヤンデレトさん…続き見たい…… (2021年11月8日 1時) (レス) @page7 id: 2c794b2e82 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇりぺ2せい - 更新待ってました、、！！いっつもドキドキしながら見てます♡胸きゅんをありがとうございます (2021年9月26日 23時) (レス) @page6 id: b8164da90d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴより | 作成日時：2021年9月8日 16時
