聡はペット

episode.24 ページ24

聡side





Aさんの家に着き





玄関に入ってからすぐのハグ





ペットならこのくらい普通なんだろうけど





「わ、え、ちょ、」





Aさんの胸が直接俺の顔に当たっていたから





思わず焦ってしまった





だって、こんな経験、今までにない…





「…あ、ごめんごめん」





Aさんはそう言って体を離してくれたけど





やわらかい感触は脳から離れなくて





「いきなりびっくりするじゃないですか〜！」





「だって、聡くんが可愛いからつい」





「も、もう〜」





相変わらず俺はAさんに弄ばれてる





「ふふ。おかえりワンちゃん。カレー食べよ？」





なんの躊躇いもなく俺の手を引くAさん





ペットだもんね





「僕おなかぺこぺこです！」





ペットはペットらしくいなくちゃ





「よかった。まさか昨日の今日で来てくれるとは思ってなかった」





「そうですよね。なんかごめんなさい…」





「なんで謝るの？嬉しいよ。聡くんに会えて」





「僕もです」





Aさんの言葉が嬉しすぎて即返事





そしたらAさんは一瞬動揺したような表情を見せて





そのまま洗面所に促された





もしかして照れたとか？





大胆なことするわりに、そんな姿を見せるなんて





ずるすぎる









「…好き、です」





その言葉は、空気と化して消えた

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