アタシのことはチノ子と呼んで！ ページ9
食料配給をするために、避難民たちを一列に並ばせている時であった。
彼はスープを煮ており、プラスチックの器に盛り付けて渡す作業を繰り返しながら、被災者に優しい言葉をかけていた。
どれも相手を気遣った優しい言葉であり、悲痛な思いを残した住民たちも温かい気持ちになっていた。
オスマンとチーノは列整理の仕事であり、オスマンは彼が配る列、チーノはパンを配っている列の整備をしていた。
民｢邪魔よ！！私はもう何日も食べてないんだから、優先しなさい！！｣
｢やめてください、先に並んでいたのはそちらのお嬢さんです。
食料が欲しければ最後尾に行ってください。茶髪の女性がいらっしゃるところです｣
こういうルール違反がいるから、列整理の仕事があるんだろうなと思った。
彼に茶髪の女性と言われるのは後にも先にもここだけであろうが、案内されてもいつまでも引かない相手に、助力すべく彼の元へ近づいた。
いつまでも言うことを聞かない彼に、相手も痺れを切らしたのか、ポッケから鋭利なガラスを取り出した。
民｢アンタ、痛い目にあいたいみたいね！！｣
｢っ！？｣
彼は瞬時に腰に手を当てたが、そこにあるはずの武器は自国の王によって折られてしまったため無かった。
振り上げられたガラスの破片に人を殺せるほどの威力は無いと感じたのか、彼は右手で顔を守るようにした。
ギリギリ間に合ったオスマンはそんな彼を後ろへ引っ張り、落ちてきた刃を警棒で受け止めた。
os｢さあて、痛い目にあいたいのはどちら様かな……？｣
被災者は精神的にも不安定になるため、このような衝動に走っても仕方がない。
オスマンは女を落ち着かせるために、列から外させた。
オスマンが去るとそのタイミングを見逃さずにチーノが彼の元へやってきた。
ci｢おねーさん、怪我はないかしら？｣
｢あ、はい。……えっと、チー｣
ci｢アタシのことはチノ子と呼んで！｣
チーノと呼ばれたくなかったのか、彼がチーノの名前を言う前に、それらしい女性の名前で誤魔化した。
オスマンも他の人の前ではトル子と名乗っており、あの外交官のオスマンだとバレないように立ち回っていた。
例外的な男性だとバレないように身だしなみから、話し言葉、自分の名前まで徹底して女性になりきっていた。
｢チノ子様、私は問題ありませんので持ち場に戻ってください｣
名前をくみ取ったのか、言われた通りのそれを使って彼はチーノの心配を拒否した。
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あかまる(プロフ) - まおさん» ご報告ありがとうございます。気づくのが遅くなって申し訳ないです。 (3月1日 0時) (
レス) id: b37e4ba748 (このIDを非表示/違反報告)
まお - オ.リ.フ.ラ.立ってますよ。ルール違反になってしまうので外したほうが良いと思います。 (2月23日 3時) (レス) id: aa7b758126 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あかまる | 作成日時：2024年2月20日 13時
