何がダメなんや？ ページ23
犬は『知らせろ』がキーワードで相方へと向かうが、ひとらんは動物と意思疎通がある程度できたため、彼が退店するという場面で不自然なワードを言わずに済んだのだ。
つまりは、最初から彼に自身の家の剣を買ってもらうつもりであった。
｢オスマン様、この大金は結構です。私が何とかします｣
os｢何とかって？｣
｢…｣
普段のペースを散々に乱された挙句、オスマンからの猛攻撃は彼も堪えがたいだろう。
道はひとつしかないが、彼はそれでも抗おうとしていた。
os｢何がダメなんや？｣
｢王から頂いた剣でないと…｣
os｢別に関係ないやろ？
君の後輩たちは、市販の剣を持っているわけやし｣
彼が国宝級の剣を扱っているのに対し、後輩たちは等しく同じ剣であった。
大量生産されたような剣は、とてもではないが王から賜ったとは言い難いだろう。
彼はそのことがいつかオスマンにバレてしまうのだと知ってはいたが、それをここに利用されてはとても困ってしまう。
だが、剣を王から賜るという文化は、ただの伝統であった訳では無い。
その剣で王を斬ることはできないという
｢…私は、この剣であなたに忠誠を誓えません。
いつか、貴方を切り裂くことがあるかもしれないので｣
os｢せやなら、俺の実力不足やな。
国交を良好にしたるのが仕事やもん｣
どうにかして言い逃れしようとする彼を、オスマンは必殺の逃げ道封鎖で彼の選択肢をどんどん消していった。
かなりの不利な状況に慌てているのか、いつもより沈黙が多く、顔も下を向いていた。
何を思ったのか、彼は桐の箱に入った剣を受け取った。
クッション代わりの布を取り外し、下段から鞘を取りだした。
これもまた繊細な作りであった。
外国向けに金装飾をした東国の文化には合わない煌びやかさを表していた。
慎重に受け取った剣を鞘にしまうと、そのままオスマンにその剣を捧げた。
｢オスマン様に差し上げます。
…私が貰ったのならば、その後どうしようが私の勝手ですよね｣
ひとらんは彼が単純に受け取らなかったことに、強い意志を感じた。
意地悪く新しい東国のマナーを作ればいいかとも思ったが、彼がどこまで信じるのかも不透明であった。
os｢なんでそんなに意地を張ってん｣
そんな彼の態度にそろそろオスマンも面白みを感じなくなってきた。
彼は顔を下に向けたまま何も言うことは無かった。
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あかまる(プロフ) - まおさん» ご報告ありがとうございます。気づくのが遅くなって申し訳ないです。 (3月1日 0時) (
レス) id: b37e4ba748 (このIDを非表示/違反報告)
まお - オ.リ.フ.ラ.立ってますよ。ルール違反になってしまうので外したほうが良いと思います。 (2月23日 3時) (レス) id: aa7b758126 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あかまる | 作成日時：2024年2月20日 13時
