お兄ちゃん、これならどうだ！ ページ20
父親が店番をする中、ひとらんは自室の整理をしていた。
小さい頃の思い出の品ばかりだから、使わないものも多いが、それでも持っていきたいものは少なからずあった。
父｢おーい、ひとらん、ちょっと降りてきてくれ｣
居住地の一階が店構えになっているため、店番をしている父親の声はよく聞こえた。
最近は外国人が来て困っているらしく、よく通訳を求められるのだ。
今回もその類であろうと階段を降りて行くと、そこには見知った人が立っていた。
ht｢…あれ？君…｣
｢…え、オスマン様のとこのひとらんらん様…ですよね？
どうしてこちらに…？｣
日本刀を片手に持ったエテルニテ王国の外交官が驚いた顔でこちらを見ている。
父親は言語が通じないのか、危ないから鞘から抜かないで、と言っているが、あちらでは買う時に刃を見る習慣があるから癖でやったのだろう。
父｢彼はなんと？｣
ひとらんはその時少し悪いことを思いついた。
ここに来たということは、少なからず剣が欲しいと思っているのだろう。
彼の剣が折れたという噂は彼を知っている人の耳には必ず届いていると言っても過言ではないほど、広まっていた。
ht｢あー、日本刀じゃなくて両側で切れる剣はないかって言ってる｣
父｢なるほど！それならば、少しばかり試作があるぞ！｣
父親は武器を保管している倉庫へ走っていった。
これで彼の新しい剣が見つかると良いのだが、果たして彼が買いたいと思える代物はあるだろうか。
ht｢あれ、俺の親父｣
｢ご実家だったのですね…。
それで、えっとどちらに向かわれたんでしょう？｣
ht｢んー、トイレじゃない？｣
そうですか、と淡白な返事で彼は刀を鞘へと収めた。
刀は元あった場所へと戻すと、店から出ようとした。
玄関口にいた犬だけは、そのまま外の世界へと走っていったが、彼はひとらんの声に引き止められた。
ht｢もしかして、剣を新調したかった感じ？｣
｢あ、いえ。剣は王から授けられた物しか扱えませんので…。
オスマン様が持っているような警棒があれば…と思ったのですが…｣
確かにwrwrd国ではオスマンのような非戦闘員は必ず身を守るために警棒を持っている。
殺傷能力は無いものの、相手の刃を受け止めたり、又は運良く当たれば気絶させることも出来る。
その時、父親が倉庫から1本の剣を持ってきた。
急いで来たのか息が上がっているが、大した運動もしていないくせに困ったものだ。
父｢お兄ちゃん、これならどうだ！｣
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あかまる(プロフ) - まおさん» ご報告ありがとうございます。気づくのが遅くなって申し訳ないです。 (3月1日 0時) (
レス) id: b37e4ba748 (このIDを非表示/違反報告)
まお - オ.リ.フ.ラ.立ってますよ。ルール違反になってしまうので外したほうが良いと思います。 (2月23日 3時) (レス) id: aa7b758126 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あかまる | 作成日時：2024年2月20日 13時
