良ければ教えますよ ページ13
チーノは詐欺師であった。
それは過去形でもあるが、詐欺師として汚い金を稼いだことは泥としてチーノの経歴に傷をつける。
ダンスの教養を学ぶ機会など無かったため、貴族で一般的なワルツでさえ踊れないのである。
｢良ければ教えますよ｣
ci｢ええ！いいんですか！ありがとうございます！！｣
木々の中に挟まったチーノを引っ張って、開けた場所に連れ出すと、丁度空を隠す葉が無いため綺麗な星空と月光が注がれていた。
媚びを売るような胡散臭い言葉に彼は呆れながらも、チーノの両手を規定の位置まで持っていき、ワルツを踊り始める形にした。
｢いいですか？まずは足のリズムを覚えてください｣
彼はチーノの正面にたち、背中を見せると一定のリズムで足を動かした。
チーノは意外にも器用にこなすタイプで、足をもつれさせながらも、同じリズムの繰り返しだと気がつくと、飲み込みが早かった。
彼もそれに気がついたのか、形になり始めると、急にスパルタになって、チーノは一生懸命踊り始めた。
ある程度夜が更けてチーノも疲れ始めると、彼のレッスンは終わりとなった。
柄にもなく汗だくで練習の賜物が疲労となっていた。
｢明日も早いですので、そろそろ寝てくださいね｣
ci｢Aさんのおかげでぐっすり眠れそうやわ｣
チーノがテントに戻ろうとすると、彼はチーノを引き止めて耳栓を一つだけ渡した。
二つは要らないと断ったから今度は一つにしたのか？
｢片方にはめてどちらかを枕元に押し付ければ、二人とも使えますよ｣
優しい気遣いも無下にする訳もなく、チーノは有難く耳栓を貰った。
気持ちよく眠れたチーノが翌日、オスマンに耳栓の件を聞くと、wrwrd国の隊員には配給されるようにオスマンが手配したのだが、わざとチーノの分は忘れてきたようだ。
足の引っ張りあいも困ったものである。
二日目の作業は瓦礫撤去であった。
倒壊した家や、火山灰を一つずつ解体していき、まっさらな土地へと変えていく。
火山へ近づけば火山灰の量の増加に加えて、溶岩が流れた痕跡が現れ始めた。
チーノは彼がまたお昼を抜こうとしていることに気が付き、一日目と同じように強引に連れ出した。
ci｢今日の夜もあそこにおる？｣
｢えぇ、まぁ。またダンスの練習ですか？｣
ci｢そんなとこ｣
こちらの会話が聞こえないところにいたオスマンは丁度昼食を終えたようで、なぜ一緒なのかと信じられない顔で見てきたが、笑って手を振り返してあげた。
……なんでわかったんですか→←ところで、ダンスは踊れますか？
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あかまる(プロフ) - まおさん» ご報告ありがとうございます。気づくのが遅くなって申し訳ないです。 (3月1日 0時) (
レス) id: b37e4ba748 (このIDを非表示/違反報告)
まお - オ.リ.フ.ラ.立ってますよ。ルール違反になってしまうので外したほうが良いと思います。 (2月23日 3時) (レス) id: aa7b758126 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あかまる | 作成日時：2024年2月20日 13時
