なんのご要件で？ ページ2
女｢……私は行けないので、その、｣
彼女は皮肉や副音声を聞き取ることは上手だが、組み立てるのはまだまだ改善の余地があった。
だが、言いたいことは分かる。
前回は曲解して相手を困らせたが、今は政治が絡む話し合いではないため、素直に受け取る。
os｢必ず、戻ってきます｣
(＝私が彼を慰めて説得しますので、心配なさらないで)
袖から彼女の手が離れたことを確認すると、オスマンは急いでその場所へ向かった。
王宮の裏側に出て細い道を辿っていくと、その先には正面からは見えない廃城が佇んでいた。
整備されていない道を歩いたが、途中草を掻き分けた足跡を見つけると、彼が先にいることを確信した。
崩れそうなところを蔦で何とか支えているような頼りない城にはところどころ燃えた痕跡が残っており、火災があったことを物語っていた。
不気味で陰鬱な雰囲気を纏う廃城の中に入ってみるも、誰かがいる気配は無く、彼を探しながら階段を上っていくと、1番広い玉座の間に彼はしゃがみこんでいた。
黒くなった玉座に先程の剣を立てかけ、膝を着いて何かを必死に祈っていた。
｢……オスマン様、なんの御用件で？｣
os｢君が心配になってな、追いかけてきたんや｣
小さな城にオスマンの靴音が響いていたせいか、彼はオスマンがここに来ることを知っているように思えた。
ただやましい気持ちがある訳でもないので、飾っていないストレートに彼を気遣う言葉を投げかけると、彼は黙ってしまった。
前も思ったことがあるが、与えられる好意に慣れていないような感じがする。
オスマンは彼に寄り添うため、少しずつ近づき、ついには隣に立った。
os｢あの剣は君にとって大切なものやったんやろ？｣
｢……はい。
私がまだ幼い頃、当時は子供に剣を与えることはまだまだ問題視されていましたが、私は珍しくこの剣を与えられました｣
巷の安っぽい心理学では、未来を考える時は右上、過去を考える時は左上などと言われているが、彼は真っ直ぐ玉座を見つめていた。
真っ二つに折られた剣が、まだ使えたかのように鋭く光っている。
｢この剣は当時の国王が依頼して鋳造させた国宝級の剣だった……それが、いとも簡単に、…………はぁ｣
国王から直々に剣を託されるなんて由緒正しき騎士の家系であったのだろうか？
そんな剣を大切に扱わず国宝を失わせるとは、現国王の浅薄さがにじみ出る。
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あかまる(プロフ) - まおさん» ご報告ありがとうございます。気づくのが遅くなって申し訳ないです。 (3月1日 0時) (
レス) id: b37e4ba748 (このIDを非表示/違反報告)
まお - オ.リ.フ.ラ.立ってますよ。ルール違反になってしまうので外したほうが良いと思います。 (2月23日 3時) (レス) id: aa7b758126 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あかまる | 作成日時：2024年2月20日 13時
