合宿は見直され ページ6
夜が明けると再びアズールさんが私の部屋に訪ねてきた。
船長の会話を要約しつつ伝えると、アズールさんは確信の笑みを浮かべた。
その日の朝、ジャミルはいつも通りカリムを起こしに行った。
しかし、通称『ジャミルお助け隊』によって仕事が奪われていた。
何もしない訳にも行かず厨房へ向かうと、そこにはフロイドとスミスの姿があった。
朝食の準備はほとんど終わっており、またしてもジャミルの仕事は奪われてしまった。
その次はオアシスの行進が変更となった。
長距離の有酸素運動よりも、室内の筋トレのほうが持久力や筋力の改善に効果があるとアズールは言う。
もっと言うならば、陸上で運動するよりもよりシビアな水中の方が同じ時間でも使う筋肉も体力も変わる。
その次は古代呪文語のやり方に変更があった。
単語を覚えるためにアズールの提案した勉強法を試すことになった。
こうして確実に合宿は良い方向に進んで行った。
もちろん、この合宿の本当の意味を知るものは全くもって笑えなかったが。
ついに、彼は耐えきれなくなってアズールに洗脳をかけたのだが、華麗なユニーク魔法によって躱された。
その事にも気づかず、1人べらべらと犯人である証拠を漏らす。
その言葉たちは全て誰かの耳に拾われており、ジャミル・バイパーは後戻りが出来なくなってしまった。
ｼﾞｪｲﾄﾞ｢いけません、ジャミルさん。これ以上ユニーク魔法を使い続ければ、ブロッドの許容量が……！｣
ｽﾐｽ｢そんな…！船長になんと報告すればいいのか…！｣
ジャミルのマジカルペンは真っ黒に染め上がり、彼の姿はおぞましい怪物へと変わった。
周りの空気にびりびりと稲光が走っており、空模様まで赤黒く異質的な色になっていた。
ｱｽﾞｰﾙ｢援軍の見込みがない冬休みだというのに厄介なことになりましたね。｣
ｽﾐｽ｢…作戦を練りましょう…！｣
膨れ上がるブロッドを前にスミスは足が踊りそうになっていた。
それでも何とかして彼を助けたいと思っている。
それは、カリムの為だと言ったらそうだと頷くし、ただのエゴなのかと問われても肯定するだろう。
ｽﾐｽ｢…船長の邪魔をするな
ジャミルの後ろに佇む巨人から手が伸びてくるが、それが誰かに当たることは無かった。
ｼﾞｪｲﾄﾞ｢これは…！｣
ﾌﾛｲﾄﾞ｢へぇ、ハギちゃんのユニーク魔法はバリアなんだぁ。｣
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作者名：あかまる | 作成日時：2022年11月6日 14時
