鏡の間での雑談 ページ39
ユウside
リーチ兄弟と会う分には大丈夫なのに、モストロラウンジではダメだった。
異なる点は、アズールの命令に従っていたかどうかという点だ。
｢どーせ、対価を求めてくるだろうから、はっきり言ってやってくれ。
お前が持っていたものを返されたとしても嬉しくないってな。｣
相変わらずの毒舌に、そっくりそのまま伝えることは出来ないと悟った。
ちなみに、本人は羅針盤を開けても通信が飛ばないようにイデア先輩に改造してもらったと言っていた。
だから、怖ければ処分しても構わないのだとか。
アズール先輩は分からないが、もし僕がそんなこと言われたとしても、処分なんてとっても出来ないだろう。
会話が弾んでいると、リドル先輩の道を塞いでいたようで、デュースが気を使って声をかけた。
少し落ち込んでいることに心配になったが、お母さんと話し合うから緊張しているのだと知った。
どうか、良く行きますように…！
心ばかりのささやかなお祈りをする。
ﾌﾛｲﾄﾞ｢なぁにぃ、金魚ちゃん。
おうちに帰りたくないの？｣
そんな僕らの輪に新しくフロイド先輩たちが来た。
フロイド先輩ののらりくらりした態度にリドル先輩は頭にきたようだ。
頭の固いところは治ってはみたい。
話題を逸らせるためにケイト先輩が居残る理由を双子に聞いた。
話を聞くと、珊瑚の海の北の方出身の彼らは、海面が流氷で覆われているらしい。
結局、どこも大変なのだ。
リドル先輩が闇の鏡へ向かうと、続いてトレイ先輩も向かった。
ｹｲﾄ｢え、ほんとにウチ来るの？｣
｢そのつもりだ。蛸が来ないうちにとっとと行くぞ。
というわけだから、監督生。｣
名前を呼ばれるとは思っていなかったため、元気にはい、と返事をしてしまった。
エースやデュースはクスクスとか笑っていたが、Aは気にせずに要件を伝えた。
｢俺様はホリデー中は居ない。
もし、羅針盤を開くならばスミスが来ると思ってくれたまえ。｣
スミス先輩？
よく良く考えれば、まだしっかりと話したことがなかった。
今スミス先輩はどこに、と聞くと、寮に閉じ込めたなどという恐ろしい言葉が聞こえてきた。
帰られると困るから、という一応の理由は聞いたがあまりの暴君にスミス先輩が可哀想に思えてきた。
帰る前にケイト先輩がぱしゃりと1枚撮ると、A先輩に、愚痴を言いながら闇の鏡の中へ入る列へ並びにいった。
エースやデュースのように、2人は仲が良いのかもしれない。
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作者名：あかまる | 作成日時：2022年5月21日 17時
