【ツイステ】船長の冒険記 (ページ16)

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終結のティーパーティーページ16

ｴｰｽ｢｢君にはもう用がない。｣って何だそれ！？そもそも、あっちが勝手に渡してきたんだろ！」

先ほどからエースお得意の声真似によって、なんでもない日の２回目は愚痴大会で終わりそうだ。
こればかりは、デュースも僕もお手上げである。

ｹｲﾄ｢うわぁ、エースちゃんめちゃくちゃ荒れてんじゃん。」

ﾃﾞｭｰｽ｢ケイト先輩。」

トレイ先輩のドゥードゥル・スートによって甘党ではないことが暴露されたケイト先輩は、案外スッキリした顔立ちで話しかけてきた。
トレイ先輩の些細なことに気付ける精神には見習うところがあるだろう。
特に、エース。

ｸﾞﾘﾑ｢そもそも、お前にあげたものではないと思うんだゾ。」

ｴｰｽ｢いやいや、ちゃんと貰いましたしー！？」

強引なやり方によって腹が立っているのか、トレイ先輩が作ったタルトの一切れを自身の皿に運んでは、それをひたすらお腹に入れるという暴食ぷりを見せつけている。

エースの懐中時計は回収されてしまったが、まだ僕の分は手元にある。
つまり、まだ僕には用があるってことだ。
いきなりこれを渡せと言われれば渡すしか選択肢が無いだろうが、理由も聞かずに相手の言いなりになってしまうのは不本意である。

ｹｲﾄ｢悪い奴じゃないんだけど…」

ｴｰｽ｢いやいや、良い奴だったら｢では、その羅針盤を返してもらおう｣なんて言わないでしょーが！！｣

エースの熱は冷めそうになかったので、僕とデュースは目を合わせ、その場を離れた。
ナイスアイコンタクト。

ｹｲﾄ｢なんか、俺と似た感じ…？あー、激辛好きだけど黙ってたとこに似てて親近感が湧くんだよね〜。｣

ｴｰｽ｢いい人そうにして本心はいつでも手を切ってやるって考えてるとこが同じなんじゃね？｣

ジリ―ロジャー寮の寮長室には人影が一つ、椅子に腰を掛け小さなテーブルに足を組んで乗せていた。
開かれた懐中時計は正しく時を刻んでいたが、特有のカチコチとした音は聞こえてこなかった。
彼の瞼はそっと伏しており、浅い呼吸を繰り返している。
時折、深いため息を吐くと何事もなかったように一定のリズムへ戻った。

埃の積もっていない棚には数日前にはなかったガラス瓶が置いてある。
その中には赤黒いマジカルペンがあった。
色合いからしてハーツラビュル寮のものだ。
直近でここまでブロッドをためていたハーツラビュル寮生は一人しかいない…。