[d!]深緑なる悪魔のお誘い (ページ16)

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半分しかいないページ16

A国の建国祭から二週間ほど経った。
その間特に変わった用事はなく、毎日内ゲバや訓練など各々楽しく過ごしていた。
軍の上層部は国を運営するために書類と向き合うことが多かったが、下町へお菓子を買いに抜け出すなどガス抜きは適度に行っていた。

そして二週間後に控えている同盟会議に向けて準備を行おうと、幹部を招集したはずだが、ここにはなんと半分しかいない。

gr｢ん、おかしいな？ちゃんと一週間前に定例会があるって言ったはずだが｣

tn｢ゾムは怪しい人(観光客)見つけたから、始末してくるって無線で言ってたで｣

os｢らんらんは動物の世話を終えてから来るって。
いつもこの時間にやってるから、変える訳にはいかないって言ってた｣

em｢ロボロさんは先程モニター室で眠っているのをしんぺい神さんに連れていかれましたよ｣

ショッピとチーノは会議室に入った瞬間、その人数の少なさに部屋を出ていってしまった。
その後直ぐに帰ってきたと思えば、それぞれ暇を潰せるものを持ってきていた。
つまり、行方不明者はコネシマとシャオロンと鬱か？

聞きなれたメンバーに驚きも心配もない。
どうせ、訓練に夢中だったとか、煙草吸ってるとか、そんなしょうもない理由に違いない。
寝坊しないように10時に設定したはずなのだが、かえって問題が多発してしまったようだ。
朝ごはんは起きていたからな……。

gr｢はぁ、いないやつには後で伝えとけ。
今回は二週間後に控えた同盟会議の件についてだ｣

四年に一度の期間で開催される同盟会議は、wrwrd国を含めた六か国が参加する。
原則各国のリーダーが参加するのだが、今回は少し異例で代理を参加させる国が多くなるだろう。

というのも、開催地がC国という場所であるが、ただいまD国と冷戦状態である。
その場で喧嘩になり、部隊を持ちあっての宣戦になられては危ないため、統率者は参加しないという安全策をとる。

グルッペンも護衛も連れて一泡吹かせたかったが、なんと異例に護衛の人数が縛られたのである。
まったくくだらない冷戦などやっているから、こういった制約が課せられるのだ。

gr｢ということで、参加者はオスマンでええか？｣

まあ、凄腕の外交官様に任せておけば何とかなるだろう。
本人はそんな実りのない話を聞くのは嫌だろうが、耐えてもらいたい。

そして今回は鬱を助けたあの外交官と仲良くなることも裏のミッションとして存在している。