3 ページ3
「二人とも!お待たせ!」
「あ、山田!おせーよ!!」
「ごめんごめん!」
「涼介、帰ろ」
「え、あ、うん!大ちゃん!また明日ー!」
「おう!」
会議中だった山田が来て、知念と帰っていった。
俺は二人と帰る方向が別だから、いつも一人で帰る。
『家に帰ったらなにしようかな。』
『今日の晩御飯はどうしようかな。』
とか、ボーッとしながら歩いてた。
「あ……」
すると、偶然、ペットショップを見つけた。
“僕でも飼えそうな可愛い犬を見つけて、写真を送ってほしいんだよね。”
すっかり忘れていた、知念の言葉を思い出す。
…………チャンス!
今なら知念の役にたてるチャンスだ!
そう思って店の中に入った。
カランコロン
店内は、とても広かった。
まるで、ショッピングセンターのような広さ。
猫のコーナー。ハムスター、魚のコーナーまであった。
とりあえず、犬のコーナーを端から端まで見ることにした。
チワワ、ダックスフンド、トイプードル……
ホントにどれも
「かわいい〜♡」
つい、声に出してしまった。
その時、
「動物、好きなんですか?」
上から特徴的な声がした。
振り向くと、マッシュルームヘアの男の人がいた。
その人の胸元には、「伊野尾 慧」と、書かれてあった。
「え、あ、まぁ…はい…」
「ふふ、そうなんですか」
ふわっと笑った彼に、無性にドキドキして、顔が熱くなっていった。
俺はいてもたってもいられなくて、その場から逃げ出して、ペットショップから出た。
知念との約束は、すっかり忘れていた。
69人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:餃子strawberry | 作成日時:2017年5月13日 23時