印が9つ ページ10
｢という訳です…｣
私の乾いた笑いが私自身を寂しく感じさせる。
家から近く、小さい頃よく遊んでいた公園。
久しぶりに来たが遊具は何一つ変わっていなく、強いて言えばほんの少し錆びた程度。
｢つまりお前は嫉妬してんのか｣
かっちゃんに今までの事を話したのだ。
ここまで親身になって話を聞いてくれるのは珍しい。
内心、とても驚いている。
｢ま、まぁ……？
でも私が全部悪いんだし、かっちゃんは気にしないでいい｣
よ。
その“よ”を言おうとした瞬間。
｢っ…｣
かっちゃんが私の襟を掴んで強引に引っ張ってきたのだ。
勿論、襟を引っ張られたら首が絞まるわけで思わず顔をしかめてしまった。
｢確かにひっでえことになってんな。｣
かっちゃんは焦凍に噛まれた首筋をジロリと見つめる。
｢苦しいんだけど…｣
私がそう言っても、かっちゃんはその手を離さなかった。
｢いっ……｣
離すどころかその傷を深く指で押してきたのだ。
もうこれは噛み跡だけの痛みじゃなく、かっちゃんの暴力と言ってもいい力の痛みも混じっていた。
｢何すんの…痛いんだけど……｣
目を潤ませ、少し睨みつけた。
その時のかっちゃんの顔は、
｢っあー……
半分野郎の気持ちが今ならよくわかる………｣
眉間を寄せ、呆れたような顔をしていた。
それから｢はぁ…｣と一つため息をつき私から手を離した。
｢……ならお前も半分野郎に嫉妬させりゃ、いいじゃねえの。｣
しばらく沈黙が続いて、第一声がこれだ。
｢…は？｣
突然の爆弾発言に私は理解が出来なくなった。
｢半分野郎を妬かせるんだよ、理解しろ馬鹿｣
｢いや理解しろと言われても意味が伝達してこな｣
｢明日、7時40分。ここ集合。｣
｢えっ｣
｢じゃあな｣
そう言ってかっちゃんは風のように去っていった。
｢…………えぇ｣
一人置き去りにされた私は何が何だかわからなくなった。
焦凍を妬かせる…？
焦凍は拗ねることはあったとしても、あの天然はえげつない。
嫉妬という感情はあるのか…？
いやあるか、流石に失礼だよな。
それにしてもどうやって焦凍を妬かせるつもりだ、かっちゃんは。
｢明日のことは明日考えよ…｣
外が暗くなって街灯が照らし始め、私はそのまま家までゆっくりと歩く。
…明日から生活がガラリと変わるとは知らず。
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MOMO(プロフ) - 続き楽しみです！繰り返し読んでキュンキュンしてます…更新頑張って下さい!! (2022年10月12日 22時) (
レス) @page29 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
やま - 続きめちゃくちゃ見たいです！どハマりしちゃいました…無理せず頑張って下さい！ (2021年1月23日 16時) (レス) id: 5d961f6072 (このIDを非表示/違反報告)
みさまる。(プロフ) - 続きめっちゃ読みたいです！！かっちゃん...！でも轟選んでハッピーエンドにしてほしい...！ほんっとにキュンキュンしました！更新待ってます！ (2020年10月1日 1時) (レス) id: 9f6637cdbb (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - かっつんもしょーともかっこいいいいいい、、！！！でもやっぱり最後はしょーとを選んで欲しい、、！！ (2020年5月17日 2時) (レス) id: 62739afc5d (このIDを非表示/違反報告)
パリピ - 続きが死ぬほど恋しいです！これからも頑張ってください！！ (2020年3月17日 12時) (レス) id: f872523bca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：荼毘
| 作成日時：2018年9月2日 12時
