印が14こ ページ15
｢ごめんね、かっちゃん｣
学校から出たいつもの帰り道。
ずっと無言でいた私達だったが、その沈黙を壊したのは私自身だった。
｢…何が｣
かっちゃんは少し不機嫌な態度で私の言葉に返事をした。
｢いやぁ…
元々かっちゃんは何も関係ないのに
なんか色々と迷惑かけてるし…
本当に、ごめん｣
私は深く頭を下げた。
｢…｣
私が頭を下げ足を止めると、かっちゃんもそのまま歩みを止めた。
｢…頭上げろ｣
酷く冷たい声が響いた。
だが私は頭を上げることは無かった。
正直、
私は今、何をすれば正しいのかわからなかったのだ。
(｢俺を嫌いになったか？｣)
あの時の焦凍の顔が、脳裏から離れなかったからだ。
泣きそうな焦凍の顔、初めて見た。
笑った顔
困った顔
拗ねた顔
そんなのは何回も見てきたのだ。
………あの顔にさせたのは紛れもない私だ。
あぁ、あんな顔をさせる筈じゃなかったのに。
｢ごめんね｣
私は色々な考えが脳に詰まったまま、かっちゃんに謝った。
｢頭上げろつってんだ｣
不機嫌だと言わんばかりのその声のトーンが耳に入ると共に、
頭を鷲掴みされ、無理矢理頭を上げさせられた。
｢俺の好きでやってんだ。
別に迷惑じゃねえし、お前が謝る事でもねえ。｣
顔を上げるとかっちゃんとの距離が近く、
思わず、目を見開いてしまった。
｢だから
笑え。｣
いつもより、真剣な顔。
自然に強ばった力がどんどん緩んできた。
あぁ、
かっちゃんが幼馴染で良かった。
改めて思えた気がした。
｢…ありがと｣
そう言うとかっちゃんは、私の頭から手を離した。
そして
｢素直すぎてきめえ｣
といつもように笑うのだ。
｢酷いなぁ｣
思わず私も笑ってしまった。
するとかっちゃんは安心したような顔になり、
｢そうだ、
お前はそうやって馬鹿みたいに笑ってろ｣
かっちゃんは自分の大きな手を私の頭に乗せた。
｢…うん｣
それが、とても嬉しくて
｢本当に、ありがとう｣
焦凍じゃなくて、かっちゃんだったらなぁ。
｢…おう｣
そんなことを思ってしまった。
ーーー
沢山の評価、本当にありがとうございます(＞_＜;)！
大したお返しも出来ませんが、本当に嬉しいです。
この小説に似たような小説が出てきましたが負けずに頑張ります(笑)
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MOMO(プロフ) - 続き楽しみです！繰り返し読んでキュンキュンしてます…更新頑張って下さい!! (2022年10月12日 22時) (
レス) @page29 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
やま - 続きめちゃくちゃ見たいです！どハマりしちゃいました…無理せず頑張って下さい！ (2021年1月23日 16時) (レス) id: 5d961f6072 (このIDを非表示/違反報告)
みさまる。(プロフ) - 続きめっちゃ読みたいです！！かっちゃん...！でも轟選んでハッピーエンドにしてほしい...！ほんっとにキュンキュンしました！更新待ってます！ (2020年10月1日 1時) (レス) id: 9f6637cdbb (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - かっつんもしょーともかっこいいいいいい、、！！！でもやっぱり最後はしょーとを選んで欲しい、、！！ (2020年5月17日 2時) (レス) id: 62739afc5d (このIDを非表示/違反報告)
パリピ - 続きが死ぬほど恋しいです！これからも頑張ってください！！ (2020年3月17日 12時) (レス) id: f872523bca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：荼毘
| 作成日時：2018年9月2日 12時
