印が18こ ページ19
｢はぁ？
風邪ェ？｣
朝からかっちゃんの大きな声が外に響き渡る。
通りがかる人々はどうしたんだ、という顔をしてこちらを見る。
｢ごほっ、ごめん……｣
昨日のあの雨でびしょ濡れで帰ったせいか、熱が出てしまったのだ。
そのおかげで起きた瞬間から咳は止まらないし、体が重かった。
｢とりあえず今日は休むね……｣
｢ったりめえだ！
さっさと寝やがれ！！｣
そう言ってバタン！と大きな音を立てて玄関のドアを閉めた。
｢いってらっしゃーい……｣
あーあ
学校休んじゃった……
まだ温もりが残るベッドの中に入る。
焦凍に
絶対昨日のこと、気にしてるって思われるよなぁ。
あー…違う違う
もう別れてるんだっけか……
轟くん？
……呼びづらいなぁ。
｢頭痛い…｣
今頃、何してるんだろう
またあの子と一緒にいるんだろうなぁ…
って
いやいや…
もう終わったことじゃない
｢気にするのやめよ……｣
私は枕に顔を埋めた。
……大人しく寝よ
私はそのまま目を閉じた。
のだが
｢おい｣
っ！？
1人のはずの部屋に私以外の声が響いたのだ。
やば、家の鍵開けっ放しにしてたんだった
思わず勢いよく起き上がった。
｢って…｣
｢色んなもん買ってきた
食っとけ｣
そこにはコンビニの袋を持ったかっちゃんだった。
｢なんだ、かっちゃんか…
学校行ったんじゃないの？｣
かっちゃんだとわかった瞬間、冷や汗が一気に引いた。
｢てめえの事だからなんも食わねえだろうと思った｣
かっちゃんは買ってきてくれたのであろう飲み物やチョコを机の上に置いた。
｢全然いいのに…｣
｢人の気遣いを素直に受け取れや｣
｢ありがとうございます…｣
私は机に置かれたスポーツドリンクを手に取り、キャップを回した。
｢じゃ、行くわ｣
｢うん、ほんとありがとね〜…｣
枯れた喉に少しでも潤いを与える為にスポーツドリンクを一口飲んだ。
｢何かあったら連絡よこせよ｣
｢わかりました…｣
かっちゃんは私のお母さんかな
そんな言葉が喉まで出かかった。
そんなことを思われているとは知らず、かっちゃんはそのまま私の部屋を出ていった。
一人になった部屋。
｢はぁ……｣
私は机に置かれたチョコレートを一粒取り出し、口に入れた。
｢……美味しい｣
こんな優しさも、少し胸が痛くなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1856人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MOMO(プロフ) - 続き楽しみです！繰り返し読んでキュンキュンしてます…更新頑張って下さい!! (2022年10月12日 22時) (
レス) @page29 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
やま - 続きめちゃくちゃ見たいです！どハマりしちゃいました…無理せず頑張って下さい！ (2021年1月23日 16時) (レス) id: 5d961f6072 (このIDを非表示/違反報告)
みさまる。(プロフ) - 続きめっちゃ読みたいです！！かっちゃん...！でも轟選んでハッピーエンドにしてほしい...！ほんっとにキュンキュンしました！更新待ってます！ (2020年10月1日 1時) (レス) id: 9f6637cdbb (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - かっつんもしょーともかっこいいいいいい、、！！！でもやっぱり最後はしょーとを選んで欲しい、、！！ (2020年5月17日 2時) (レス) id: 62739afc5d (このIDを非表示/違反報告)
パリピ - 続きが死ぬほど恋しいです！これからも頑張ってください！！ (2020年3月17日 12時) (レス) id: f872523bca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：荼毘
| 作成日時：2018年9月2日 12時
