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「お前と傑の元カノ、声似てるよな」
五条が突拍子もなく、その言葉を発した。
「悟くんって呼んでみてよ」
デリカシーの欠片すらない五条の言葉に正直凹んだ。
だが私はその言葉を一切気にしていないように「はいはい、悟悟悟悟」と何度も五条の名前を言ってやった。
五条は「感情込めろよ、あいつはそんな気だるそうな声出さねーよ」と私の傷口を抉るように言葉を次々と発した。
私は自分の部屋に戻った後、喉に手を当て何度も声を出した。
傑は私ではなく、彼女に似ている私の声を気に入っていたのか。と不本意ながら思ってしまった。
それから私は積極的に傑へ愛を囁くようになった。
好きだよ。愛してる。
私は無意識に、彼女の代わりになりたかったのかもしれない。
傑は笑って「私もだよ」とだけ。
傑から私へ愛を伝えることは、一度もなかった。
当然である。傑は私を愛していないから。
傑の中では、亡くなった彼女が一番なのだ。私は二番目なら良い所。そもそも除外かもしれない。
私は彼女が亡くなってから、自分の誕生日が嫌いになった。
彼女の命日だというのにも拘わらず、皆が私に気を使って誕生日を祝ってくれようとするからだ。
本来ならば嬉しいはずなのだが、気を使ってくれていると思うと地獄のような気分だった。
だから自分の誕生日の前には「何もしなくていいよ。御家でパーティを開いてくれるから色々忙しいんだ。」と言う。
もちろん嘘である。
あの御家が強化アイテムとしか思っていない私にそんなことをしてくれるはずがない。
誕生日には皆に嘘がバレないように、バスに乗って知らない町へ行く。
日帰り旅行のようで、日々の緊張感が解放される瞬間だった。何も考えなくても良いこの時間が、私は好きだった。
そうして私は、自分の誕生日が終わった零時過ぎに高専へ帰る。
「今帰ったの？」
硝子が窓の傍でタバコを吸っていた。
「まだ起きてたの。朝からお墓参り行ってたんじゃなかったっけ｣
彼女の命日であり、私の誕生日。
神様に仕組まれた悪戯のような日。
「そっちもね。疲れた顔してる、早く寝な」
「本当？嫌だなぁ。」
私は少し笑って自分の顔を触る。
「それと…
もう言われ慣れてるかもしれないけど、誕生日おめでとう」
否、初めて言われた。
私は今年、誰にも自分の誕生日を祝ってもらえていなかったため、硝子に初めてその言葉を言ってもらった。
「うん、ありがとう」
傑にも、お祝いしてもらえなかったのだ。
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rix(プロフ) - 尊さん» お待たせ致しました！只今公開致しました〜！！犬小屋から出てきてくださ〜〜い！！！！お家に帰りますよー！！ (2021年3月27日 9時) (
レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
尊 - rixさん» なぬ、神様の作品なら絶対読みます！犬小屋で地団駄踏んで待ってます！ (2021年3月24日 17時) (レス) id: b48a344f5f (このIDを非表示/違反報告)
rix(プロフ) - 尊さん» コメントありがとうございます！わー！そう言っていただけると嬉しいです(;;)休日に新作出すと思うので是非そちらもお読みいただけると嬉しいです笑 (2021年3月24日 17時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
尊 - めちゃくちゃ感動しました！あなたは神作の神様だったですね、一生崇拝します (2021年3月24日 14時) (レス) id: b48a344f5f (このIDを非表示/違反報告)
rix(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます！よかったです！！笑自信結構なかったのでそう言っていただけると嬉しいです！！ (2021年3月22日 13時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rix @元荼毘
| 作成日時：2021年2月28日 14時
