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ガチャリ、ガチャリと金属同士が重なり合う音が私の右側から聞こえる。

失った右腕の切断部分からの圧迫感、背中にハーネスのようなものが通されて締め付けられる。

黙々と私の右側に義肢を装着している硝子を見ると、本当になんでもできるんだなと感心した。

「後で着け方教える。その前に念の為微調整が必要か確認するからちょっと待ってて」

「杞憂だよ、硝子。あんなに測定していたじゃない」

「そうかもしれないけど、機械が身体の一部になるんだ。念の為も必要だよ。」

そう言って右腕と機械の接触部分を何度も位置の調整をする。

「呪力、流してみて」

今の技術は素晴らしい。その一言に限る。術師にしか使えないが、呪力を流し込むと本物の腕のように自由自在に義肢が動くのだ。

黒色の硬い金属となってしまった指を順に折り曲げたり開いたりする。

「凄い。本物みたいによく動くよ」

その腕を天井へ掲げると、陽の光でギラギラと白く反射する。洋画に出てくるような腕をしていて、かっこいいとも思った。

「それは良かった。体力は前のように戻ってきたし、数日経てば私の手も必要無くなるさ。」

「本当のお医者さんみたいだね」

「ただでさえ高専に医師が足りなくて学生がこんな事やってんだ、もう医者も同然だよ」

硝子はそれから一度義肢を外し、装着方法を丁寧に教えてくれる。一人じゃ少し手間がかかるが、難しいものではなかった。

「安心して高専に戻ってきな。寮の部屋も定期的に掃除してるし、教室も何も変わってない。

また4人でイカれた生活送っていこうよ」

硝子が私に曇りのない優しい笑顔を向け、思わず私も自然に口角が上がった。

「あはは、そうだね。気が滅入っちゃうよ」

「おい」

「冗談だって」

こうやって笑うのも、ひどく懐かしい感じがする。ああ、早く高専に戻っていろんな人に会いたいな。

「任務の話だけど…最初の頃は補佐役に回されるらしい。

今はなんともなさそうだけど、その体は一度強いショック体験をしているんだ。メンタルケアも同時に行うよ」

「そんなことまでしてくれるんだ。大して気にしてもいないのに。それこそ杞憂だよ。」

あの事は夢のことのようで、現実味がなかったのだ。起きればすぐに忘れる夢から覚めた気分でいて、気に病むこともなかった。

メンタルケア。そんな無駄な時間は、必要ないと感じていた。

「…そうだといいんだけどね。」

ただ、硝子の痛心に耐えないその顔が、忘れられない。

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rix(プロフ) - 尊さん» お待たせ致しました!只今公開致しました〜!!犬小屋から出てきてくださ〜〜い!!!!お家に帰りますよー!! (2021年3月27日 9時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
- rixさん» なぬ、神様の作品なら絶対読みます!犬小屋で地団駄踏んで待ってます! (2021年3月24日 17時) (レス) id: b48a344f5f (このIDを非表示/違反報告)
rix(プロフ) - 尊さん» コメントありがとうございます!わー!そう言っていただけると嬉しいです(;;)休日に新作出すと思うので是非そちらもお読みいただけると嬉しいです笑 (2021年3月24日 17時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
- めちゃくちゃ感動しました!あなたは神作の神様だったですね、一生崇拝します (2021年3月24日 14時) (レス) id: b48a344f5f (このIDを非表示/違反報告)
rix(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます!よかったです!!笑自信結構なかったのでそう言っていただけると嬉しいです!! (2021年3月22日 13時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rix @元荼毘 | 作成日時:2021年2月28日 14時

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