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「叶瀬」

彼は私の名を呼ぶ。

「すげえな。

こんな時でもお前は弱音を吐かないし、平常心を保っていられる。

今だって逆に俺がお前より焦った」

そうだろうか。

私は彼のせいで何度も感情を揺さぶられたことがある。

平常心の時なんてほとんど無い。

今は痛くて顔を顰めそう。

彼に変な心配をかけまいとしているが、そろそろ限界を迎えそうだ。


「…そうですか?」

「少しくらい子供っぽくても良いんじゃないか?」

「大人っぽいってことですね、ありがとうございます。」

「可愛げがねえってことだよ」

彼は私が痛むことのないように、優しく私の隣に座った。

「俺の前くらい甘えてもいいんだぜ?」

天元様は手を広げ、「ん」と言う声と共に私に向けた。

来い、という意味だろうか。

私は痛みで思考力を奪われ、特に何も考えず上半身だけだが天元様の胸へ飛び込む。

そうすると彼も優しく私を包み込むように腕を背中に回した。

「……今も痛くて痛くて泣きそうです…」

「おーおー泣け泣け」

「泣きませんよ…」

「本当に可愛げねえなあ」

子供をあやすように私の背中を優しくさする。

彼は私のことを子供としか見ていないことはわかったが、その優しさが嬉しかった。

本当に泣きそうになる。


「Aいますか!」

そう思ったのも束の間。

扉の外から炭治郎の声が聞こえ、ふと我に返る。

「離してください、先生

炭治郎が来ました。」

この光景を見られては、また炭治郎があらぬ疑いをかける。

それは何としてでも避けたかった。


「あぁ。

ちょっと痛いと思うが我慢してくれ」

「え…

ッ!?」

突然重力に逆らい、自分の体が宙に浮く。

その為足がぶらりと動き、衝撃が走る。

天元様に背負われたのである。

「よお、炭治郎!

叶瀬の荷物、持ってきてくれてありがとうな!」

私を背負いながらではドアを開けられないので足で行儀悪く音を立てて開ける。

「っな…

なんで宇髄先生もいるんですか。

それにAを背負って!」

炭治郎は「A、大丈夫か!?」と一応心配しながらも、天元様がいることを気に食わなそうにしていた。

「大丈夫だよ」

彼の背中は暖かく、居心地の良いものだった。

「先生、ありがとうございます

炭治郎も、ありがとう」

今世の私は恵まれている。

こんなに私に良くしてくれる人がいて、良かった。



どうか彼らだけでも、

今の私を置いていかないでほしい。





ーー
ごめんなさい、書くの飽きてきました。

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rix(プロフ) - 月乃派さん» ないです! (2022年7月26日 6時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 更新停止ですが、更新待ってます! (2022年1月18日 22時) (レス) @page25 id: 7dc128c7fe (このIDを非表示/違反報告)
月乃派 - 宇髄さんは記憶があるんですか (2022年1月2日 18時) (レス) @page25 id: 2fabf89436 (このIDを非表示/違反報告)
rix @元荼毘(プロフ) - しらとぅさん» 影山飛雄です! (2020年11月27日 18時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
月華 - 更新停止残念です…復活するの楽しみに待ってます (2020年3月22日 2時) (レス) id: 05cb836c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rix@荼毘 | 作成日時:2020年2月29日 11時

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