【wrwrd】拾う神有り (ページ9)

今日:5 hit、昨日:8 hit、合計:16,701 hit

日常 4 ページ9

Aside

『うぅ～腰痛いです。でもそろそろお風呂入らなきゃ。いてて…』

鈍い痛みを放つ腰をさする。この痛みは長引きそう…。

「じゃあ連れてってやろう。一緒に入ろうか？」

ひょいと体が浮き上がる感覚。お姫様抱っこされてお風呂に連れていかれる私。

『お風呂ぐらい1人で入れます！絶っっ対覗いちゃダメですからね！』

「それはフリか？」

『覗いたらお菓子作ってあげません。』

「覗かないに決まっているだろう。」

グルッペンさんを黙らせるにはお菓子作らない戦法が1番効果覿面なのを私はこの1年間で学んだ。
この戦法に何度お世話になったことか…。

『は～ぁ…気持ちぃ…。』

湯船の中で自分の腰を揉む。
そうだ、後でマッサージでもしてもらおっと。

ん、足音…。まさか本当に覗きに…？

「服とタオル、ここに置いておくから。」

違ったようだ。
私、少し意識し過ぎなのでは？？

まずい、眠たくなってきた。
瞼がだんだんと閉じていく。少しだけなら…。

…あっつ！寝すぎた！

立ち上がるとのぼせたのかクラクラする。壁に手をついて少し休んでいると、遅すぎて心配したグルッペンさんが声をかけてきた。

「大丈夫か？遅すぎるぞ。」

『すみません。ちょっと寝てたらのぼせてしまいました。』

「のぼせた！？待ってろ。」

浴室に入ってくるグルッペンさん。手早くバスタオルで水気を拭き取って、またもやお姫様抱っこをしてベッドに連れ戻す。

「心配するから風呂で寝るの禁止。」

『分かりました。なので…服を着させてください。』

「まだ暑いだろう。下着だけ着ておけ。」

書類で扇いでくれる。果たしてその書類はそんなふうに使ってもいいのかは分からない。そしてさっき風呂の中で考えてたことを思い出した。

『体を冷やしている間に腰、マッサージしてください。』

「ずいぶんと言うようになったな。これが尻に敷かれるってやつか…。」

『なんか言いました？』

「何も言ってないゾ。」

グルッペンさんのマッサージのおかげで腰は回復した。お昼ご飯は食堂まで行けそう。