【wrwrd】拾う神有り (ページ21)

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危機 5 ページ21

グルッペンside

「はぁ…」

寝ても覚めても出るのはため息と自責の念のみ。数日だったが一向に気は晴れず自分でもらしくないと思う。

あの日、なぜもっと強く止めていなかったのだろう。あの日、1人でも一緒に行けばきっとこんなことにはなっていなかった。

今は仕事に一切手が付かない。しかし、気を紛らわせるために一気に仕事以外の情報をシャットアウトして専念することもある。

こんなに不安定なのは初めてだ。
これほどまでにAの存在は大きかったことに今更気付かされた。

そうだ。あれを買いに行こう。あれがあればもう手放すこともなく、地位的にも私の隣に居られる。
そして、私自身の決意と守るという原動力になるだろう。

必ず、助け出して渡す。

重い腰をあげ、人知れず街へ向かった。

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久々に外に出てすこしだけリフレッシュした気がする。目当ての物も無事に買うことが出来た。

「グルッペン？入るよ」

入ってきたのは外交が終わって帰ってきたオスマン。

「どうだった。」

「やっぱはぐらかされたね。でも、武器を増やしているとかいうような内容をチラっと零してたからいつかは戦争する気だろう。」

「今すぐ戦争するか？」

「いや、それはAちゃんが危険すぎる。そこら辺はトントンと話し合っていこう。」

「そうだな…。」

「グルッペン、たまには俺らにも頼ってよ。俺らそんな弱ないで。」

「分かっている。」

「じゃ、俺らも頼りにしてるめう～」

先程までの仕事モードのオスマンは消え、いつものゆるふわオスマンに戻っていた。

確かに、焦りすぎているかもしれない。Aが生きている確証はないが、逆に言うと死んでいる確証もない。どちらもわからないなら生きている方にかけたほうがいいだろう。

それに、思っているよりAも強い。きっとあっちで最前の選択肢を選んでいることだろう。アイツらも強い。ここまで国を大きくして連れ添ってきた仲間なのだから。

「まだ大丈夫。」

１回深く呼吸して気を整える。コーヒーを淹れて頭をリセット。こちらも最前の手を取らなければな。グダグダしている暇はない。