危機 2 ページ18
会議室side トントン視点
「さて、これからどうします？」
エミさん達からは攫われたと見て間違いないとだけ知らせが来た。詳しいことは着いたら話すだそうだ。
「そりゃあもちろん戦争に決まってるだろう。」
戦争と言い放つグルさんの目は、いつもの戦争大好き楽しみ！という目ではなく完全に座っている。
こんなにキレているぐるさんは、正直片手で数えられるくらいしか見たことがない。
「グルちゃん落ち着きや。今戦争にしたらAちゃんが巻き込まれたり、捕虜として盾とされる可能性もあるんやで。」
「せやぞ、ここは冷静になったほうがいい。」
大先生の言っていることは正論だ。俺もそうした方が良いと思っている。
「…そうだな。ここでとり乱しても何も状況は変わらんな。」
「とりあえず戦争以外で早く手を打った方がいいんじゃない？俺外交して探ってみるよ。」
「私もついていく。」
「いやいやいや！アカンやろ！何最前線出とんねん！」
「お前ら、自分の大切なものが奪われたんだぞ。いち早く情報をいれたいし、いても立ってもいられない。
お前らにこの気持ち、分かるか？」
そう言ったグルッペンの目は悲しみと怒りの色で満たされていた。
「けどな？俺らは頭がいなくなったら途方にくれてまうんや。だからこそ、グルさんは城にどーんと座って俺らに指示してくれや。」
「…分かった。」
弱々しく言った。そりゃそうだろう。自分でも守るといいながら守れず、助けに行くことも出来ない。男としてこれほど不甲斐ないことはない。
弱いグルッペンを初めて見た。ここは俺らが背中を支えたらんとな。
〈えー、放送。会議室の者へ放送。
敵国はクレイ帝国ということが判明しました！
以上。〉
ロボロの声が会議室に響く。
クレイ帝国…最近どんどん力を伸ばしている国だ。一応目に掛けとったけど、まさがここまで来るとはな。
「じゃあ行動に移そうか。
まずゾム、お前は潜入して、城の内部の偵察及びAが何処にいるか掌握しろ。なるべく隠密に、暗殺はまだしないように。」
「りょーかい。」
「オスマンは外交して相手が今どんな動きしているのか探りをいれろ。それとなく人攫いのことも聞いておけ。はぐらかされると思うけどな。あくまでも敵意は無いと示しておけ。」
「分かっためう〜」
「大先生は、まぁなんかしとけ。」
「僕だけすごい適当！」
「大先生やからな。」
「あぁん、ちゅめたい！」
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作者名：夜兎丸 | 作成日時：2019年4月7日 18時
