【wrwrd】拾う神有り (ページ16)

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日常 11 ページ16

グルッペンside

『グルッペンさん、お菓子の材料が切れてしまったので街へ買いに行きますね！』

「分かった。幹部の誰かに護衛をつけさせよう。」

『そんな、護衛なんて大丈夫ですよ！すぐ帰ってきます。』

「今日非番のやつはいないのか…。すぐ帰って来いよ。」

『了解です。』

Aは部屋を出ていった。

最近不穏な噂が街で流れているらしい。どうやら近々戦争があるだとか。元情報屋であるショッピ君に調べにいかせている。こんな時にAを1人で行かせて大丈夫だろうか。

「帰りました。報告します。」

「あぁ、ショッピ君か。どうだった？」

「どうやら諜報員が紛れ込んでいるようです。国境付近にはたまに車が侵入しているという情報を得ました。

あとは、若い方の失踪が増えています。
人攫いをしていると考えていいでしょう。」

「…っ、さっきAが1人で出かけたんだが、これは危険だな。すぐに連れ戻さないと。」

一抹の不安を抱いてインカムの応答を待つ。しかし一向に出る気配がない。

心臓の鼓動が一気に速くなる。ショッピ君は固唾を飲んで見ている。

ロボロに位置情報を割り出してもらおう。

〈ロボロ！Aが今どこにいるか分かるか？〉

〈今探すから待ってて。〉

こちらの鬼気迫る声に何かあったのかと察するロボロ。インカムの外でものすごいスピードでタイピングしている音が聞こえる。

〈位置情報…ありません。この街から反応がない。
最後の情報は国境付近で途切れてます。〉

目の前が真っ暗になった。Aが攫われた？足音も、布が擦れる音も全てが無機質に聞こえてくる。

「グルッペンさん！探しましょう！まだ間に合うかもしれません。こんなことで諦める貴方じゃないでしょう。」

「あぁ。」

〈全員に告ぐ！至急、会議室に集まれ。〉

ショッピ君と一緒に会議室へ急ぐ。着く頃には全員待機していた。

「Aが攫われた可能性がある。攫われていた場合には戦争することになるだろう。

エーミールとショッピ君、ひとらんは最終確認できた付近の捜索。シッマとシャオロンはいつでも武器を使えるように。ロボロは引き続き情報の管轄を頼む。ペ神も普段通りに。兄さんは戦争になっても物資が途切れないように手配してくれ。

トン氏、大先生、オスマン、ゾムはここで方針を固める。」

「「「了解」」」

さて、楽しい楽しい戦争の時間となるのだろうか？私の大切なものに手を出した罪は重いぞ。