【wrwrd】拾う神有り (ページ13)

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日常 8 ページ13

「お粥作ったから。食べれる？」

『ありがとうございます。』

作りたてでホカホカのお粥は味がなくとも食欲のない私にはありがたいものだった。

『グルッペンさん、お料理作れたんですね。』

「小さい頃から1人で暮らしていたからな。それなりのものなら作れるゾ。」

『1人で…。』

「戦争で両親ともに亡くしている。」

初めて知った。
自分が親を亡くした時に、この気持ちは絶対に誰にもわからないと思っていた。しかし、グルッペンさんは私よりもずっと前に亡くしていたんだ。

それなのに、戦争に恨みがあるはずなのに
戦争を好き好み続けるんだろうか。

『なぜ戦争を続けるんですか？』

「大切なものを守るため。」

『戦争によって大切なものを失うんですよ？
グルッペンさんだってそうだったでしょう。』

「守るには力が必要なんだ。

話しすぎたな。そろそろ薬の時間だ。」

私の疑問を遮って話を変えた。少し踏み込みすぎたようだ。

「口開け。」

『あー』

薬を口に入れられる。コップをくれと目で催促する。すると口移しで水を飲まされた。慌てて薬を飲み込む。

『な、何してるんですか！
風邪うつっちゃいますよ！？』

グルッペンさんをポカポカ殴る。

「少しは元気になるかと思って。
あー痛いゾ。そんなに元気ならすぐ治るさ。

ほら、寝てろ。ここに居るから。」

寝ている私のそばに寄り添い、胸を呼吸に合わせて軽く叩く。お腹も満たされ一気に眠気が襲ってくる。

眠りの底に堕ちる寸前、

『ずっとそばに居てくださいね。』

そんな惚気けたことを言ったような気がした。

翌日、見事に私の風邪がうつったのはまた別の話。