人質【4】 (ページ9)

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Ep.１５０ページ9

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もう、言い逃れはできない。

《どういうことだ･･･？》

《 MIND VOICEの、ライブ中継ですよ。
今の会話は全て、ネットに流れていたんです。
ユーザー５千万人が、あなたの自白を聞いていたんですよ。
･･･景山を死に追いやったのは･･･武智大和、あなただ！
･･･この映像を見ている皆が証人です》

そこで、MIND VOICEのライブ中継は停止した。

けれど、マイク自体は繋がっていて。

音声は全て、教室には筒抜けなのである。

《 ───約束通り、あなたの大切なものを頂きました。
名声と権威。それがあなたにとって、なにより大切なものだった。
･･･これで全てを失った･･･！》

これが、あんたが澪奈にやったことだよ。

《なんだ、この茶番は･･･！
･･･俺はただ、見込みのありそうな奴に、オイシイ環境を与えてやっただけじゃないか･･･。
それの何が悪い！？
･･･出来なければ消される、そんなの当然だろ。
･･･こっちとしては、だめなら、別の “モノ” を差し出せばいいだけだ！
生徒がどうなろうと自己責任だ、俺には関係ない！！
結果が出ずに辞めた奴のことなんか知るか･･･。勝ち続けなきゃ次がない！！それがこの世の中だろ･･･！
商品価値のない奴に用はないんだよ･･･！》

《生徒はモノじゃない！人間だ！！！》

武智先生の本性。

辛いけれど、これが現実。

瀬尾くんと華ちゃんは、涙を流して聞いていた。

《俺達が導いてやらなきゃならない･･･、
脆くて、未完成な人間なんだよ･･･！！
三歩先しか見えてない彼等に、長いレールを敷いてやる･･･、未来を信じて、行く先を案じて、どの道を歩めばそれが彼等にとっての最善なのかを考える･･･！
寄り添って、寄り添って一緒に、答えを探す･･･！
･･･それが、教師のつとめだろ･･･》

先生は武智先生を突き飛ばしたのか、壁にぶつかる音がする。

《･･･ッあﾞ、ッ･･･！》

「先生？･･･先生･･･！？」

抜け道なんてわからないけれど、たまらなくなって駆け出そうとした。

『･･･ッ甲斐、』

「行くな。今行ったら、全部パアになる」

『でも、ッ』

「行きたいのは俺も一緒なんだよ･･･」

甲斐の手は震えてた。

振りほどいて行くなんて、私にはできなくて。

『･･････ッ、』

唇を噛み締めて、先生の声を聞くしかなかった。

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