検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:218,131 hit

Ep.101 ページ7

.




「───分かるよ、お前は彼女に嫉妬してたんだ。
夢に向かって生きる彼女が羨ましかった・・・!」

「知ったような口きいてんじゃねぇよ!!」




何度も殴られて血塗れの先生は、それでも甲斐に向かって話し続ける。




「素直になれよ・・・!
夢を諦めた自分とは対照的な彼女が妬ましかった、違うか?」

「・・・ッだったら何だよ!!
あいつは何のしがらみもなく好きなことやって、なのに俺は何もかも我慢して・・・!!
なんで俺だけこんな目に遭わなきゃなんねぇんだよ!!」




甲斐の、心からの叫び。


何度も殴りつける拳を止め、先生は甲斐を蹴り飛ばす。




「いつまでそうやって被害者ぶってるつもりだ・・・?
お前がダンスを辞めなきゃいけなくなったのは、家族のせいじゃない。
お前が何もしなかったからだ」

「・・・ふざけんなよ!!」

「お前が!!
抱いた悩みや苦しみを!!誰かにぶつけたか・・・!?
仲間に、クラスメイトに、教師に!!
“どうしてもダンスがやりたい、誰か助けてくれ” って、お前は縋ったか!?」

「んなことするわけねぇだろ!!」




思いきり先生に殴りかかった甲斐は側頭部に重い蹴りをくらい、倒れ込んだ。




「───誰かに縋って何になる・・・?
助けてくれるわけでもねぇ・・・見捨てられるのがオチじゃねぇかよ・・・!!」

「・・・ふざけんじゃねぇよ・・・」




石倉くんが、小さく呟いた。




「お前のそういうとこがムカつくんだよ・・・!
ダンスのときも、俺が先に始めたのにお前にあっという間に追い越されて・・・こいつならマジで世界掴めんじゃねぇかって思ってたらいきなり辞めるとか言い出して・・・!
それがこんな理由かよ?
・・・なァ。なァ、おい!!」




甲斐の胸ぐらを掴み、石倉くんは怒る。




「なんで黙ってたんだよ!!」

「だってしょうがねぇだろ、」

「決めつけんな!!
金を工面できなくても・・・ッ、弟達の面倒くらい俺達だってみれる!!
俺達だって!!何か力になれたはずだろ・・・ッ」






.

Ep.102→←Ep.100



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (178 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
450人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
- 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。