Ep.132 ページ39
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「───ッ、・・・」
『大丈夫!?』
「大丈夫、ッまだ・・・軽い方・・・ッ」
さくらが出て行った途端にしゃがみこんだ先生の背中をさする。
やっぱり、気のせいじゃなくて痛む頻度が増えてる。
『隠すのもしんどくなってきたんでしょ』
「・・・、やっぱお前にはバレてるか」
“軽い方” っていうのは本当らしく、すぐに回復した先生はモニター前のマイクに向かって言った。
「はい、ざんねーん!!
結城、今すぐ携帯持ってこい」
お前はここにいろ、と残されて、先生は美術室に行ってしまった。
『・・・結局まだ何も言えてない、』
坪井先生のこと、武智先生のこと。
まぁ佐久間先生も候補に入ってたけどないと思うし。
校長は学校の評判を気にしてたのならわざわざ自分から下げるようなこともしないよね。
森崎ちゃんは絶対にないと言い切る自信がある。
しばらくして先生が戻ってきた。
「結城には黙ってるよう言っといた。
お前も黙っといてくれな」
『もちろん。先生のこと信じてるよ』
そう言うと、先生は不思議そうな表情を浮かべた。
『“信じる信じないゲーム”。
あれ、まだ続いてるんでしょ。
教室を爆破するって言ったとき眼鏡外してたから、信じない』
さくらも気付いてたからあんな行動をとったわけね。
『・・・でもね、涼音の気持ちも理解できるの。
坪井先生がどんなつもりで涼音にそうしたのかは知らないけど、あんなやり方はひどいと思う。
マイボイに投稿させようとしたってのは間違ってると思うけど』
もしあの動画が投稿されてたら。
坪井先生が犯人じゃなかったら。
『・・・ていうかシンプルに、坪井先生がそんな理不尽な理由で涼音を退部に追い込むとも思えないんだよねぇ・・・』
「・・・つまり?」
『なんか、理由があるんじゃないかなって。
今ふと思っただけだけど』
先生は私の目をじっと見つめた。
「・・・で、それを俺に言ってどうする?
あいつらに言わなきゃいけないんじゃないのか?」
『・・・ッあ、そっか』
・・・ってそうじゃなくて。
私が聞きたいのは武智先生のこと。
『坪井先生のことはとりあえず置いといて。
武智先生のことが聞きたいの。むしろこっちがメイン』
私は、武智先生を怪しんでる理由を話した。
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わ - いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時