人質【3】 (ページ34)

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Ep.１２８ページ34

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「───とはいえ、このまま何もしないで首を洗って待ってるだけってのも可哀想だな。
･･･じゃ、お前ら！先生を説得してみるかー？
生徒が必死に命乞いをすれば、犯人の心が揺らぐかもしれない」

説得もなにもあったもんじゃない。

完全に先生に騙されてる皆の表情は引き攣り、教壇に立つ先生を睨みつける。

「･･･ふざけんなよ、！」

先生は、眼鏡を掛けて生徒全員を見据えた。

ということは、これから言うことは信じてもいいってこと。

「───いいか。上辺だけで物事を見るな。
本質から目を背けるな。 Let's Think.」

そう言って回収した荷物を引き摺って教室を出ていこうとした先生のあとを、手伝うと言った美咲が追いかけて行った。

「･･･マジかよ、」

「ぶっきーのこと信じてたのに･･･」

先生が出ていくと、皆が口々にそう言った。

こんなんじゃいつまでたっても始まらない。

「なぁ、とりあえずフェイク動画の犯人突き止めてみようぜ」

「だな。まずそこからじゃねぇと説得もできねぇし」

さくらが動きだし、黒板に魁皇高校の教師全員の顔写真と名前を張り出した。

少し前までは絶対にこんなことしなかったのに、率先して皆の前に立ってる。

まずは自分が動かなきゃ、だって。そうだね、私もなにか出来ればいいんだけど。

この状況でこれだけ冷静ってことは、さくらも気付いてるのかな。

「皆の話を整理すると、この5名が候補になるのかな、と･･･」

校長、森崎ちゃん、佐久間先生、武智先生、坪井先生。

まとめるとこの5人が怪しいんじゃないか、ということになって。

森崎ちゃんは無さそうだけどなぁ･･･。

「はい。校長は無いと思う」

「いや、そうでもないよ。
前に校長が景山さんのこと愚痴ってたの聞いたことあるし。スター選手がいるからマスコミが頻繁に出入りするのが迷惑だ、って。」

柳本の話をきいて、さくらは校長を “ジェイホワイト” なるものに当てはめた。

「･･･じぇ、」

「じぇ･･･なんて？」

『ジェイホワイト。プロレスの選手だと思う』

さくらの話に付き合いすぎて、だんだん詳しくなってきてしまった。

「じゃ、次は森崎先生！」

個人的に森崎ちゃんは絶対にないと思う。

澪奈のことも私のことも気にかけてくれてたし。

一颯先生狙いってことは知ってたけどね。

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