Ep.121 ページ27
side Kayano
夕方頃、一度先生が教室に戻ってきて “写真を撮る” と言い始めた。
戸惑いながらも指示に従って黒板の方を向き、先生以外の全員がカメラに背を向ける形。
撮れた写真は、とっても奇妙なクラス写真。
今日の新聞を掲げた先生のみがカメラの方を向いた構図。
満足そうにそれを確認した先生はまた美術室に戻っていってしまう。
「・・・なんか、今日は平和だね」
『逆にそれが珍しく感じるって、虚しいよね』
どんどんこの状況に適応してきてる自分達が怖い。
「つーかお前上着返せよ!」
『えー、寒い。もうちょっとだけ』
「・・・・・・わかったよ、」
「あれあれ?甲斐なんか顔赤くね?
可愛い顔でおねだりされたから?」
「ちげぇよ!!」
やっぱり甲斐くん、Aのこと好きだよね。
Aは気付いてるのかな。
『元気でいいねぇ』
「おばあちゃんみたいなこと言うね」
『もうババアでもなんでもいいや・・・』
ものすごく眠そうなAは、魚住さんにもたれてコテンと眠ってしまった。
「・・・あ、Aちゃん寝ちゃった」
「寝かしといてやりな、色々疲れたんでしょ多分」
すぐそばにいた諏訪さんが言った。
「黙って寝てたらほんと、眠り姫だよね」
宇佐美さんがAの寝顔を見つめていった。
間違いない。
起きてるときは色っぽくて、寝てるときはあどけなくって可愛い。
つまり最強。A様バンザイ。
「口開いたら残念っていうか、おっさんみたいなこと平気でするけどねぇ」
「でも格好いいんだよね、芯がしっかりしてて」
「そういうとこが好きなんだよね」
A、皆Aのことこんな風に思ってくれてるよ。
「ぶっきーと、くっつけてあげたいね」
見てればわかるよ。
先生とAがお互いに大事に思ってること。
私達に何が出来る、ってわけでもないけど、Aと先生が幸せになってくれれば、きっと澪奈も喜んでくれると思うから。
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わ - いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時