Ep.120 ページ26
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「────起立。
俺の授業を始める。礼」
もうすっかり慣れてしまったこの号令。
反抗する生徒もいなくなって、なんだか奇妙な状況。
「これから、
“信じる信じないゲーム” を、始めよーう!!!」
とっても楽しそうに言い放った。
意味がわからない。
「とうとうイカれちまったか」
「ふふ、ぶっきーどういうこと?」
笑顔で冗談も言えるくらい、先生に対しての信頼ができてる。
「なんですか?それ」
さくらが聞くと、先生は突然、
「信じろ」
眼鏡を外して、
「信じるな」
もちろん、生徒はざわつくわけで。
「意味わかんねぇんだけど」
「だから何、って話よね」
そのままHRは終わってしまい、結局聞けずじまい。
今日は課題、出されなかったなぁ・・・とか考えながら、久々に戻ってきたヘッドホンをつけて机に突っ伏した。
「久々だな、この光景」
「後ろ向けば緑のヘッドホンつけた貞子もどき、な」
『おいコラ誰が貞子だよ』
「起きてた、こっわ。
てかお前、俺に対して当たり強くね?」
甲斐と須永くんの会話をきいて、思わずつっこんだ。
前の席は須永くん、後ろの席は甲斐。
斜め前は中尾くん、隣は石倉くん。
騒がしすぎる甲斐軍団に囲まれたこの席は、おちおち居眠りもしていられない。
そこに普段から賑やかな兵頭くんも相まって、もうこの席は無法地帯。
たまらず対極にあるさくらの席へと逃げた。
『もうあの席疲れる・・・』
「皆賑やかだもんね」
寝る!と一言だけ告げて、甲斐から奪ったブレザーにくるまって寝てやった。
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わ - いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時