Ep.112 ページ18
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やっと涙が止まって、ふと気が付くと美術室から怒鳴り声が聞こえてきていて。
普段声を荒らげない瀬尾くんの声までしたから、恐る恐る諏訪ちゃんに続いて美術室に入ってみれば。
「A・・・ッ!」
香帆、未来、華ちゃんが駆け寄ってきてくれた。
「A大丈夫、・・・じゃないよねごめん、」
私の表情を見た未来が謝った。
『・・・ごめん心配かけた。
大丈夫じゃないな、うん。
大丈夫じゃないけど・・・、アレ何?』
一旦落ち着いたからか、冷静に話が出来てる。
心の中では全然大丈夫なんかじゃあない。
「・・・警察が突入してくるらしくて」
『・・・え、』
「甲斐達はこのまま残るって言ってるんだけど・・・あ、ウチらも。
瀬尾達は警察に保護してもらう、って・・・」
兵頭くんや光永も、瀬尾くんと同じくここから脱出したいらしい。
「どうやって残れっていうんだよ!!
相手は警察だぞ!?お前ら馬鹿なのかよッ!!」
「・・・それは、」
「なんかあんなら言えよ!!」
相手は警察。
しかも突入してくるとなると、SITかSWATかよくわかんないけどそういう専門の人達のはず。
兵頭くん達の言うことも一理ある。
「────・・・爆弾」
西崎くんが、小さく呟いた。
「ここには、至るところに爆弾が仕掛けられてるんだよな・・・?
だったらそれ、」
「ちょっと待ってよ、さすがにそれはやりすぎじゃない・・・、?」
どんな規模のものがどこにどれだけ設置してあるのか。
「威嚇するだけだ・・・!
脅して撤退させればそれで、」
「ンな都合よく出来んのかよ!?」
「先生のパソコンがあれば、カメラで相手の様子を探ることはできる・・・!
怪我しない程度に爆弾を・・・」
「ふざけんなよ!!」
瀬尾くんが怒鳴った。
「今爆破させたら、威嚇だろうがなんだろうが俺らも共犯になっちまうんだぞ・・・!?
・・・これでスポーツ推薦がパーになったら誰が責任取ってくれんだよ・・・?
こんなことで人生台無しにしたくねぇんだよ・・・ッ!!
・・・お前らだってなぁ、今は正義感に駆られてるかもしんないけど、後で絶対に後悔するぞ・・・?」
兵頭くんが、ゆっくりと諏訪ちゃんに詰め寄る。
「・・・おい諏訪。お前何を知ってんだよ?
警察に楯突いてまでも、ここに残る理由を。
・・・お前は、知ってんのか?」
長い長い静寂の後、諏訪ちゃんは口を開いた。
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わ - いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時