Ep.107 ページ13
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《 今、郡司がフェイク動画の件を探ってる。
これもお前の計画通りか・・・? 》
少し低めの男の人の声。
『計画・・・?』
─────プツッ
『あ゙ッ』
私が言葉を発した途端切られた電話。
『切れちゃった・・・。
計画ってなによ、どういうこと・・・?』
「生徒以外にもぶっきーの協力者がいるってこと、?」
「そういや内通者ってまだ誰かわかってねぇよな・・・?」
「ンなことより!携帯だろ携帯!!
おい緒方貸せ、・・・これで助けを呼べばいいんだよ!
・・・あ、でも掛けたら爆発とかねぇよな・・・?」
助けを呼んでも、いいものなのか。
皆が助かるのならそれに越したことはない。
でもやっぱり、解放されたとしても澪奈の死の真相も暴けないままこれから普通に生きてくことなんて私はできない。
「先生の携帯ならありえるかも、」
瞬間、石倉くんは逢沢くんに携帯を押し付けた。
「みんな!」
準備室に行っていた花恋がパタパタと教室に駆け込んできた。
「準備室が開いたよ・・・!」
『嘘、華ちゃん開けちゃったの・・・!?』
呆気にとられる私とさくらを抜いた他の皆が教室を飛び出していった。
『・・・ねぇさくら、』
「なに、?」
皆には言えないことも、さくらになら話せる。
『・・・このまま助けが来て皆で解放されたとして、それでこの先澪奈の死の真相がわからないまま生きてくなんて嫌じゃない?』
少なくとも、私は嫌だ。
『先生が、こんなになるまでしても私達に伝えたいことなんだよ、きっと。
ここで解放されちゃったら、それこそ本当に先生はただの犯罪者になっちゃう』
「・・・A、」
誰も殺してないんだもん。
やり方云々は抜きにして、先生は間違ってない。
私もさくらも、香帆も里見くんも甲斐も。
真正面からぶつかってきて、心の底から怒ってくれた先生のおかげでこうやって居れるわけで。
『皆に、話してきてもいいかな』
この際私が共犯者だって疑われてもいい。
勝手なことするな、って先生が目を覚ましたら怒られるかもしれない。
だとしても、私は先生に助けてもらったから。
今度は私が、先生を助けたいの。
「・・・うん。
私は心配だから、ここに残ってるね」
『ありがとね、さくら。
起きても無理させないでね、最悪縛り付けといていいから』
「・・・鬼嫁」
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わ - いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時