人質【3】 (ページ30)

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Ep.１２４ページ30

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迷惑かけるつもりはない、とは言ったものの、私が一颯先生のことを好きなのは事実。

諦められるか、と言われれば無理だ。

『･･･ねぇ先生』

「ん？」

『どうにかして、先生のこと助けられないかな』

辛すぎるんだよ、何もかもが。

「何言ってるんだよ」

先生は、苦笑いを浮かべた。

『一颯先生はさ、私達のためにこんなことしてくれてるわけでしょ。
でも、私達が先生のためにできることって何も無いの』

私達が、っていうか、私が。

『残された時間が少ないってなに･･･？
いきなり言われても受け止めらんないし、受け止めたくもない･･･ッ』

知りたくもなかった。

今までのこれを全部含めて、ドッキリって言って欲しいくらい。

『死なないでよ･･･ッ』

わかってる。馬鹿なこと言ってるって。

結局こうして泣いて縋るみたいなことしかできなくて、本当に自分が情けなくて。

やり場のない気持ちとか言いたいこと全部、先生にぶつけた。

その間ずっと先生は私の頭を撫でてくれていて。

うん、うん、って何度も頷きながら、ちゃんと目を見て私の言いたいこと全部受け止めてくれて。

「･･･スッキリしたか」

『うん、ありがと』

「だろうな。途中暴言のオンパレードだったもんな」

『･･･嘘』

自分でも何言ったか覚えてないくらい。

たぶん、子供みたいに泣きじゃくってたんだろう。

「もう戻れ。
あいつらにももう寝ろって伝えてくれるか？」

『うん。
本当にごめん、酷いことすごい言ったよね』

「だったら、“ありがとう” って言われた方が嬉しいな」

『･･･ありがと、』

満足そうに私の頭をぐしゃぐしゃに撫でる。

「おやすみ」

『･･･ん、おやすみ』

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