Ep.９５ ページ48
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「───なに黄昏てんだよ〜」
柊が、準備室から出てきた。
ニヤニヤと腹の立つ笑顔を浮かべてやがる。
「･･･うるせぇ、」
鬱陶しかったから美術室を出ようとすれば、また声をかけられて。
「はやく帰りたいよなぁ？
幼い弟と妹が待ってるんだろ。
･･･一応担任だからなぁ。
家族の事情くらい把握してるよ。
ま、緒方のことは何も知らなかったがな。
お前はあいつから直接聞いたんだろ？」
「･･･てめぇ、」
思わず振り返れば、まだニヤニヤと笑みを浮かべていて。
かと思えば突然、苦しそうに呻きだした。
「･･･ッあﾞぁ･･･ッ、！！」
荒い息を繰り返して、俺に向き直る。
「･･･皆、背負ってるものは軽くないみたいだなあ･･･」
俺も、柊も、緒方も。
皆、何かしら背負ってる。
あの時は結局、景山も緒方も無事だった。
けれどあとから、“ベルムズ” の “K” から呼び出されて。
景山を陥れるための動画を撮れ、と指示された。
渡された封筒の中には20万入っていて。
自分の目の前で景山が傷つくのは見たくなかったから、里見が景山にフラれたことをタイミングよく聞いて話を持ちかけた。
里見が盗撮した景山の映像をKに渡し、ドーピング映像に加工されたそれを宇佐美の鞄に入れて。
「･･･緒方Aのことはあいつらが勝手に言ってたことで、この件には関係ない。
まぁ確かに、めちゃくちゃ俺のタイプだけど。
お前が惚れてるのもわかるわ。
もし連れてきたら、報酬上乗せしてやる」
「･･･は、」
「大丈夫だよ、俺らも下手には動けねぇしお前が連れてきたくねぇんなら手は出さねぇ」
20万。
さらに上乗せしてやるけどな、とは言われたけど、それはできなかった。
あいつだけは絶対、傷つけたくなかった。
手は出さない、の言葉を信じて、俺は緒方に何も話さなかった。
景山は、緒方に心配をかけたくないからと何も話さなかったらしい。
なんだかんだ頭の良いあいつなら、何かしら危険な匂いを感じ取りそうだから俺にとっちゃそっちの方が好都合だった。
あいつが柊に惚れてることも、柊がどこかあいつを特別視してることも。
俺なんかじゃ絶対に踏み込めない領域に2人がいることもわかってる。
それでも俺はあいつが好きで、嫌われたくなくて。
結局は自分が臆病なだけなんだ。
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しぃも(プロフ) - りんさん» 返信遅れて申し訳ないです。 “ しぃも ” で作者検索していただければ出てくるかと思います。 何かしらのバグが起きたらしく、なぜか私の作品じゃない扱いになっておりまして、、(笑) お手数おかけしてすみません！ 目を通して頂いてありがとうございます。 (2019年4月6日 23時) (
レス) id: 1ee6008b97 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 人質1が見つからないです（泣） (2019年4月3日 23時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
◎SaE(プロフ) - いつも拝見させていただいてます！字体変えたらシリアス度増し増しですね…！更新応援してますっ (2019年2月5日 8時) (レス) id: 522d62b950 (このIDを非表示/違反報告)
saya - 続き、早く読みたいです。 応援してます (2019年2月1日 20時) (レス) id: bb5437bc9e (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - あんれぇ〜？こんな所に崇める事しか出来ないほどの最高小説があるぞぉ〜？←いやもうね、最高w凄い面白い！これからも頑張ってください！ (2019年1月25日 1時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃも | 作成日時：2019年1月16日 4時
