Ep.51 ページ4
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「───さぁそろそろ約束の時間だぞー。
どうだ、やり逃げXさん。名乗り出る気になったかー?」
考えなくてもわかる。
こんな状態じゃ、犯人は絶対に名乗り出ない。
「・・・しょうがないなぁ・・・。
───じゃあ、誰かに裁きを受けてもらうか」
深くため息をついて、先生は言った。
誰にしようかな。
また歌いだす。
と、その途中で先生の携帯が鳴って。
「────ッ!?」
その画面を見て明らかに、先生の纏う雰囲気が変わったのが分かった。
「・・・もしもし」
先生は窓際に駆け寄り、校庭を見下ろした。
私も自分の席から見下ろすと、昨日の男前刑事さんが手を振っていて。・・・もう1人の若いイケメン刑事さんはいない。
なんとなく振り返したけど、そういえばこの窓向こうから中の様子見えないんだった。
「・・・なんで警察が、文香の携帯を・・・?
彼女に話したのか・・・!?
何を話した、・・・答えろ!!文香に・・・、」
女の人の名前。
明らかに取り乱してるから、もしかして恋人とか・・・?
完全に冷静さを失った先生は、後ろから忍び寄った甲斐達に気付かない。
『・・・あーもう、』
“次、なにかアクション起こしたらペナルティだからな”
全く学習しない阿呆共。
もうどうにでもなればいい、と止めるのをやめた。
思いっきり先生を殴っては床に押さえつけ、手首につけられてた腕時計をとる。
甲斐はそのまま先生に馬乗りになり、胸ぐらを掴みあげた。
「・・・今までずいぶん遊んでくれたなあ!!」
何度も何度も先生を殴りつける。
それでも先生は、笑っていて。
「・・・何笑ってんだよ・・・?
頭をおかしくなっちまって───」
──── バァン!!
掃除用具入れが、爆発した。
『・・・ッ、』
咄嗟にその近くにいた諏訪ちゃんの腕を思いっきり引いて抱き寄せた。
一番近くにいた未来には届かなかったけど怪我はなかったらしく。
皆、状況を理解出来ないでいた。
「なんだよ今の・・・!?」
「いや俺じゃねぇよ!!」
腕時計を持ってた里見くんに詰め寄った甲斐。
当たり前だけど、里見くんなわけもなく。
「・・・俺がお前らの動きを見て、何も警戒してなかったと思うかァ・・・?」
馬乗りになってた甲斐を蹴り倒し、先生は起き上がった。
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しぃも(プロフ) - りんさん» 返信遅れて申し訳ないです。 “ しぃも ” で作者検索していただければ出てくるかと思います。 何かしらのバグが起きたらしく、なぜか私の作品じゃない扱いになっておりまして、、(笑) お手数おかけしてすみません! 目を通して頂いてありがとうございます。 (2019年4月6日 23時) (レス) id: 1ee6008b97 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 人質1が見つからないです(泣) (2019年4月3日 23時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
◎SaE(プロフ) - いつも拝見させていただいてます!字体変えたらシリアス度増し増しですね…!更新応援してますっ (2019年2月5日 8時) (レス) id: 522d62b950 (このIDを非表示/違反報告)
saya - 続き、早く読みたいです。 応援してます (2019年2月1日 20時) (レス) id: bb5437bc9e (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - あんれぇ〜?こんな所に崇める事しか出来ないほどの最高小説があるぞぉ〜?←いやもうね、最高w凄い面白い!これからも頑張ってください! (2019年1月25日 1時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年1月16日 4時