Ep.75 ページ28
side Ogata
泣きすぎて涙か鼻水かわかんなくなって、トイレで思いっきり鼻をかむ。
・・・こりゃ、目腫れちゃうかな。
『で、なに?』
「あ、逢沢くんも・・・!」
軽く手を洗ってトイレから出ると、さくらが向こうから歩いてきた逢沢くんに声をかけた。
「全国大会の会場に、逢沢くんもいたよね・・・」
「え、俺疑われてんの?」
「あ、違う違う!
逢沢くんは澪奈のことで、映画製作も中止になっちゃったし・・・どっちかといえば被害者でしょ?
私が聞きたいのは、他の男子のこと」
・・・里見くんのことだ。
私はそのとき現場にいなかったけど。
「・・・・・・里見くんも、いたよね」
「あぁ、没収されたビデオカメラにも映ってると思う」
やっぱり、じゃあ里見くんがあの動画を・・・?
「───今の話、本当?」
「・・・ハブられた奴らが何やってんのかと思ったら、探偵ごっこかよ」
隠れて聞いていたらしい諏訪ちゃん達が、またも見下したような言い方でやってきた。
『・・・どっちかといえばさ、私達があんたらを見限ったんだけど』
こんな情けない奴らとは一緒にいれない、ってね。
「・・・どうでもいいわ。
・・・里見〜、あんた疑われてるよ」
「・・・ん?」
とん、と愛華がさくらの背中を押して。
「名推理、聞かせてよ」
嫌味ったらしい言い方をした。
「・・・えっと・・・全国大会の日、会場にいたよね・・・?ジャージ着て」
・・・ジャージ?
サッカー部の里見くんが水泳部のジャージ?
「・・・そういえば大会の日、里見にジャージ貸したんだっけ」
「え、なんで貸したの?」
「あのとき色々準備に追われてて。
なのに、急遽駐車場の整備も手伝わなくちゃいけなくなって。たまたま会場にいた里見にお願いして、引き受けてもらったんだ」
・・・たまたま、か。
「・・・たまたま、会場にね? た ま た ま」
わざと強調して、里見くんの顔を覗き込む兵頭くん。
「・・・ふっ。
試合が中止ンなって、暇になったから観に行っただけだよ」
ぱちん、と兵頭くんをでこぴん。
余裕そうな表情は、何を考えてるのかわからない。
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しぃも(プロフ) - りんさん» 返信遅れて申し訳ないです。 “ しぃも ” で作者検索していただければ出てくるかと思います。 何かしらのバグが起きたらしく、なぜか私の作品じゃない扱いになっておりまして、、(笑) お手数おかけしてすみません! 目を通して頂いてありがとうございます。 (2019年4月6日 23時) (レス) id: 1ee6008b97 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 人質1が見つからないです(泣) (2019年4月3日 23時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
◎SaE(プロフ) - いつも拝見させていただいてます!字体変えたらシリアス度増し増しですね…!更新応援してますっ (2019年2月5日 8時) (レス) id: 522d62b950 (このIDを非表示/違反報告)
saya - 続き、早く読みたいです。 応援してます (2019年2月1日 20時) (レス) id: bb5437bc9e (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - あんれぇ〜?こんな所に崇める事しか出来ないほどの最高小説があるぞぉ〜?←いやもうね、最高w凄い面白い!これからも頑張ってください! (2019年1月25日 1時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年1月16日 4時