Ep.９１ ページ44
.
香帆、さくら、逢沢くんに連れられ、教室から出る。
甲斐は、ロッカーに腰掛けてぼーっと外を眺めていて。
「･･･前にぶっきーが話してた傷害事件のことなんだけど、」
『うん、甲斐が起こしたっていう･･･？』
「それって、景山を助けた事件だろ？」
『･･･え、？』
「あの事件って澪奈も関わってたの･･･？」
本当に私、澪奈のことなんにも知らない。
「あぁ。景山が不良グループに攫われそうになったところを、甲斐が助けたんだ。
･･･俺も、先生との会話を撮影してるときに知ってさ。
景山は、甲斐にすごく感謝してたよ」
いてもたってもいられなくなって、私は甲斐の前に立った。
後ろからさくらも走ってきて、2人で甲斐の前に並ぶ。
『甲斐、澪奈を助けてくれてありがとう』
「ありがとうございました！」
2人で甲斐に頭をさげた。
なんにも知らないで甲斐に酷いこといっぱい言ったし、澪奈からも何も聞かされずにいたから。
「･･･は、？」
『前に、澪奈が攫われそうになってたところを助けてくれたんだよね。
澪奈が、甲斐のこと恩人だって･･･』
「･･･だったら何だよ」
「･･･そんなあなたが澪奈のこと陥れるような動画を撮らせたとは思わないし、なにか事情があったんじゃないか、って」
「･･･そんなもんねぇよ」
『ねぇ甲斐、私でよければ相談乗るし、協力するから･･･、』
「何言ってんだよお前。
何も知らねぇくせに首突っ込んでくんじゃねぇよ」
『･･･ごめん、』
「だったら話してよ･･･！」
教室を出ていこうとした甲斐に、さくらが叫んだ。
「何も知らないから皆どうすることもできないし、話してくれればきっとわかることもあると思うから･･･！」
「･･･」
何も言わずに、甲斐は去っていってしまった。
その背中を追いかけようと一歩踏み出したところで、諏訪ちゃんが声を上げる。
「あ〜ぁ。甲斐の奴こじらせちゃったよ」
「･･･は、」
「これで甲斐がだんまり決め込んでこの中から10人死んだら、あんたらのせいだからね？
･･･特にA。昨日ぶっきーに、お前は殺さないって言われてたよね。やっぱり内通者はあんたでしょ？ぶっきーとデキてて、それで特別扱いされてんでしょ？」
『･･･ッは、？』
もうめちゃくちゃだ。
本当に私はなんにも知らないし、先生が私を殺さない理由なんて皆目見当もつかない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2050人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しぃも(プロフ) - りんさん» 返信遅れて申し訳ないです。 “ しぃも ” で作者検索していただければ出てくるかと思います。 何かしらのバグが起きたらしく、なぜか私の作品じゃない扱いになっておりまして、、(笑) お手数おかけしてすみません！ 目を通して頂いてありがとうございます。 (2019年4月6日 23時) (
レス) id: 1ee6008b97 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 人質1が見つからないです（泣） (2019年4月3日 23時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
◎SaE(プロフ) - いつも拝見させていただいてます！字体変えたらシリアス度増し増しですね…！更新応援してますっ (2019年2月5日 8時) (レス) id: 522d62b950 (このIDを非表示/違反報告)
saya - 続き、早く読みたいです。 応援してます (2019年2月1日 20時) (レス) id: bb5437bc9e (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - あんれぇ〜？こんな所に崇める事しか出来ないほどの最高小説があるぞぉ〜？←いやもうね、最高w凄い面白い！これからも頑張ってください！ (2019年1月25日 1時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しぃも | 作成日時：2019年1月16日 4時
