Ep.5 ページ6
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私達のところに回ってきて石倉くんが食ってかかったけれど、簡単に椅子に戻されてしまって。
私も例に漏れず、皆と同じように携帯と鞄を渡していく。
「これもね、緒方」
首にかけていた緑色のヘッドホン。
スッと抜き取られて、袋の中に投げ込まれた。
『壊さないでよ?』
「冷静だねぇ。はーいこれも没収ー」
逢沢のビデオカメラも没収。
・・・電子機器は一通り没収していくらしい。
一通り皆の鞄やら携帯やらを没収して、再び教卓に戻る先生。
「───君達が人質になったのには、理由がある」
そういうや否や、タイミングを見計らったかのようにチャイムが鳴った。
「はい、起立!起立だよ、きーりーつ」
誰も立ち上がろうとはしない。
それをみて、先生は時計を見せつけてはなにか操作しようとする。
・・・また爆破する気?
そう思った瞬間、瀬尾くんが誰よりも先に立ち上がって。
皆がぞろぞろと立ち上がり始める。
私も同じように、立ち上がる。
「これから、俺の授業を始める。・・・礼」
さっきの今だから、と私を含め数人が頭を下げたけど。
やっぱり一度で聞くような奴らではない。
また腕時計に手をやり、
「これから、俺の授業を始める。・・・礼」
チャンスだよ、と言わんばかりの表情でそう言った。
今度ばかりは全員が頭を下げたのを見て、先生は “授業” を始めた。
「どうしてこのクラスは人質になったのか。
はい、わかる人」
もちろん、誰も手を挙げない。
薄々気付いてはいるけれど、答えられないんだ。
「じゃあー、宇佐美」
「は?わかるわけないし」
「いーや、わかるはずだ。よく考えて」
「・・・皆が、ぶっきーに酷く当たるから・・・?」
まさか、そんなわけ。
だとしたら私やさくらは見逃してもらいたいものだ。
「なるほど。まぁ確かに教師に対するリスペクトはゼロだ。でもそんな理由でこんなスペクタクルな仕打ちはしないよ。
ヒントは、他のクラスには無かったこと。
・・・じゃあ、諏訪」
諏訪ちゃんは、当然かのように口を開いた。
「警察沙汰になった奴がいる」
「てめぇ喧嘩売ってんのか?」
ガタン、と音を立てて甲斐が机を蹴る。
「甲斐が起こした傷害事件か。
まぁそれも、確かに関係なくはない」
そして先生は、もう埋まることのないあの子の席に座った。
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寿司 - 何度も見返しております。 そのくらい大好きです! (2019年1月19日 17時) (レス) id: 1641cbc119 (このIDを非表示/違反報告)
のに - 最高です。ストーリーめっちゃ好きです。 (2019年1月15日 19時) (レス) id: 7e4ee45a06 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - ↓誤字がありました、すみません!これからも、楽しみにしています!です! (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - はじめましてオレンジです!あなた様の作品を楽しく見ています!!頻繁に更新をしてくださりありがとうございます!これからも、楽しみにしていましています! (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
地咲 - 好きです(真顔) (2019年1月15日 2時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年1月7日 21時