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Ep.34 ページ35

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「はーい体操終わり。
これ朝ごはんな、ひとり一個だぞー」




パンと牛乳を配っていく先生。


朝は食べない派だし、
そもそもこんな状況じゃ食欲も湧かないし。



先生が教室から出て行ったのを見計らって、華ちゃんのところにパンを持っていく。




『いらないからあげる。
華ちゃん足りないでしょ』

「いいの!?」

『うん、』




皆もぐもぐしてる中、涼音がおもむろに立ち上がった。


そのままさくらの席までつかつかと歩み寄り、さくらが食べていたパンを叩き落とす。




「許さない・・・。
あんたが答えを外さなきゃ蓮は死なずに済んだ・・・!
あんたのせいで・・・!」




手を振りあげた涼音はおさえられて。




「あんたのせいだよ・・・!
あんたのせいで蓮は死んだの!!」




泣き叫びながら、さくらを責め続けた。



私は何も言えなかった。

ただ黙って、自分の席に座っておくことしか。






「・・・行こう」

「うん・・・!」




ぼーっと魂が抜けたように座っていた私の耳に、そんな声が届いた。


顔をあげてみれば、真壁と里見くんが真剣な表情で顔を見合わせていて。




『どこいくの、』




咄嗟に、そう聞いた。


2人はまさか私が聞いてるとは思わなかったようで、慌てて言い訳を探そうとしているけれどほぼバレている。




『先生のとこ行くなら気をつけなよ・・・?』

「・・・バレてた」




里見くんが苦笑いを浮かべた。




『余計なことしちゃダメだからね、ほんとに殺されるよ』




今までずっと一颯先生好き好き言っていた私が言ったからか、2人の表情は引きつって。




「・・・うん、行ってくる」

『気をつけてね、』




ガッチガチに緊張しながら教室を出ていった2人に、思わず笑いが零れた。




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寿司 - 何度も見返しております。 そのくらい大好きです! (2019年1月19日 17時) (レス) id: 1641cbc119 (このIDを非表示/違反報告)
のに - 最高です。ストーリーめっちゃ好きです。 (2019年1月15日 19時) (レス) id: 7e4ee45a06 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - ↓誤字がありました、すみません!これからも、楽しみにしています!です! (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - はじめましてオレンジです!あなた様の作品を楽しく見ています!!頻繁に更新をしてくださりありがとうございます!これからも、楽しみにしていましています! (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
地咲 - 好きです(真顔) (2019年1月15日 2時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しぃも | 作成日時:2019年1月7日 21時

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