Ep.3 ページ4
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───ガタン!!
ヘッドホン越しにもわかるような、一際大きな音。
飛び起きてヘッドホンを外し、教卓の方に目をやれば、甲斐が一颯先生によって教卓に押し付けられていて。
『・・・なにしてんの』
咄嗟にでたのは、そんな言葉。
いつもとあきらかに様子が違う一颯先生。
「こんな物騒なものは持ってきちゃダメだろ?・・・没収だ」
甲斐のポッケからナイフを見つけ、くるくると回して取り上げた。
瞬間、石倉くん達が先生にとびかかるも、容赦なく倒されていき。
『・・・かっこい、』
「んな場合じゃないでしょ!?」
諏訪ちゃんに思いきり怒られる。
いや、今のはかっこよかったでしょー。
「あたし達人質なんだよ!?
教室のドアも特殊な鍵で開かないの!」
『・・・は?』
いまいち、状況が飲み込めない。
「あー、緒方は寝てたからわからないのか。
もう一度説明してあげるよ。
───今から皆さんは、人質です」
ひとじち、ひとじち、・・・え、なんで?
「・・・調子乗ってんじゃねェ・・・!」
「調子に乗っているのはお前の方だろ?」
──── ダン!!
勢いよく、甲斐の顔すれすれにナイフが突き立てられて。
『・・・ッせんせ、やめて』
思わず立ち上がり、甲斐の傍にしゃがんだ。
私をまっすぐ見つめる先生の目は、さっき私に笑いかけてくれた目とは全然違う。
「うーん・・・、どうやらまだ状況を飲み込めてないみたいだね」
そういって立ち上がった先生は教卓にノートパソコンを広げ、左腕の腕時計を少し操作する。
「・・・なら、これでどうだ」
──── ドォォォオン・・・!!!
聞いたこともないような大きな爆発音と、感じたことのないほどの揺れ。
『・・・せんせ、?』
間抜けに尻もちをついたままの私に手を差し伸べ、先生は口を開く。
「ロックは解除した。廊下に出られるよ」
先生がそういうや否や、私と先生以外の全員が教室の外に出る。
そっとドアから廊下を覗けば、瓦礫の山。
電線はバチバチと火花をあげ、上から下までコンクリートの破片で埋め尽くされていて。
「・・・なにこれ、」
「どうなってんだよ・・・!」
『一颯先生、何考えてるの・・・?』
振り返って先生に向き合う。
うっすらと口角をあげて微笑む顔が怖い。
「爆弾だよ」
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寿司 - 何度も見返しております。 そのくらい大好きです! (2019年1月19日 17時) (レス) id: 1641cbc119 (このIDを非表示/違反報告)
のに - 最高です。ストーリーめっちゃ好きです。 (2019年1月15日 19時) (レス) id: 7e4ee45a06 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - ↓誤字がありました、すみません!これからも、楽しみにしています!です! (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - はじめましてオレンジです!あなた様の作品を楽しく見ています!!頻繁に更新をしてくださりありがとうございます!これからも、楽しみにしていましています! (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
地咲 - 好きです(真顔) (2019年1月15日 2時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年1月7日 21時