Ep.２２ ページ23
.
「───酷いねぇ･･･」
「うっさい！！
私は卑怯な真似してまで1位になろうとしたアイツにムカついたから喋りたくなかっただけ。
それの何が悪いの？」
「香帆に1票」
「ハイ俺も〜」
「薬使うような奴と仲良くなれねぇよなぁ」
「そうそう、自業自得でしょ」
「ま、スポンサーから金もらって豪遊してたって噂だし？」
どれもこれも全部、ただの“噂”。
「───景山って男関係も派手だったって」
「アスリートってすっごい性 欲強いんでしょ」
「俺の友達もヤッたって言ってたし」
「嫌われるべくして嫌われた人間だったんだよアイツは！」
･･･無理、本当に。
吐き気がする。
気持ち悪い、気持ち悪い気持ち悪い。
「───んな、」
小さくさくらが、なにか呟いた。
「あんな奴、死んで当然だったんだよ」
甲斐の言葉で、涙が零れた。
ボロボロと止まらないそれは、机に水滴をつくっていく。
ごめん、本当にごめん澪奈。
もうどうすればいいのか分からないよ。
「･･･ふざけんな･･･！」
「あ、？」
「ふざけんじゃねぇ！！！」
突然声を荒らげたさくらが机をなぎ倒し、思いっきり甲斐に蹴りを入れた。
その勢いで後ろに倒れた甲斐は、何が起きたのかわかってない。
･･･ううん、甲斐だけじゃない。
先生とさくら以外全員が、呆気にとられた。
「あんた達に何がわかんの！？
澪奈の、何がわかんの･･･？
澪奈はいつも凛としてて、結局薬なんてやってなかったし！
なのに情報に踊らされて彼女を追い詰めたのはあんた達じゃない！！
なんで死んでまで澪奈が悪口言われなきゃいけないの･･･！
許せない･･･。絶対許せない！！」
さくらは、本心をぶちまけた。
「それにAは、澪奈を見殺しになんてしてない！
ずっと澪奈の傍にいて、澪奈が1人にならないようにしてたの知ってるから･･･！
あんた達が澪奈の机に酷い落書きしたのを消したの、Aだよ！！
雑巾で消えないからって紙ヤスリで、机も自分の手もボロボロになるくらい･･･！！
それを次の日、何事もなかったみたいに綺麗な机と取り替えたのもあんた達じゃない！！」
『･･･さくら、』
「･･･黙って見ててごめん。
澪奈から離れた私が、手伝う資格なんて無いと思ってた」
知ってたんだ、さくら。
･･･結局あの机は、廃棄されたと誰かから聞いた。
「･･･けど、いちばん許せないのは私だ･･･」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2354人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
寿司 - 何度も見返しております。 そのくらい大好きです！ (2019年1月19日 17時) (
レス) id: 1641cbc119 (このIDを非表示/違反報告)
のに - 最高です。ストーリーめっちゃ好きです。 (2019年1月15日 19時) (レス) id: 7e4ee45a06 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - ↓誤字がありました、すみません！これからも、楽しみにしています！です！ (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - はじめましてオレンジです！あなた様の作品を楽しく見ています！！頻繁に更新をしてくださりありがとうございます！これからも、楽しみにしていましています！ (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
地咲 - 好きです(真顔) (2019年1月15日 2時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しぃも | 作成日時：2019年1月7日 21時
