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Ep.98 ページ4

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「ピンポン球頭に当たるくらいなんでもねェだろ!」

「なんか気が大きくなってるだけなのよ・・・!」

「さっき殴られた借りも返さねば」




完全に三橋さんのスイッチがONになっちゃった。




「どんなモノが本当に痛いのか教えてやる。
理子、佐川呼んでこい。Aちゃんはヘアピン貸してくれ」

「・・・なんで、?」

『・・・?どうぞ』




自分のヘアピンを三橋さんに渡して後ろをついていく。
理子ちゃんは、佐川さんを呼びに行って。




『どこいくんですか?』

「ついてくりゃわかる」




そういって着いたのは、生物室。

・・・鍵がかかってるから、ヘアピンでピッキング。




『いやなにするつもりですか!』

「待ってろ待ってろ」




どうしよう、ここまで来て怖くなってきた。

ガチャリと鍵を開けた三橋さんは、何かを抱えてぴょんと飛び出してきて。




『・・・ヤシの実?』

「それはだめだって・・・」

『さすがに痛いっていうか死んじゃいます・・・!』




わりと本気で止めたのに、三橋さんはニコッとウインク。
顔がいいから様になる。・・・やってること超卑怯だけど。




( あ、これ止めても無駄だ・・・ )




この数ヶ月で学んだ三橋さんの扱い。

それは伊藤さんも同じようで、もう諦めて三橋さんの作戦に付き合うことに。


屋上につくと、理子ちゃんがちゃんと佐川さんを連れてきてくれてたらしく。
すぐ私の傍に駆け寄ってきた。




「三ちゃん今からなにするつもりなの?」

『・・・わかんないけど、』




ヤシの実を、たぶん、こう・・・落とすんだと。

佐川さんを呼んだ理由はわからないけど。




「おい佐川。
さっきのヤクザ気に入らねェだろ?」

「気に入らねェっスよ!
もう三橋さんやっちゃってくださいよ!!」

「そんなに気に入らねェならお前ェがやれ」




ほい、と佐川さんにヤシの実を渡すと。

屋上の端まで歩いていき、佐川さんを後ろから支えたかと思えば。




「ンてぇぇぇえい!!!」




勢いよく、ヤシの実を投げた。・・・投げさせた?




──── バキャッ





『「「「「 うわぁぁぁあ!!!! 」」」」』




三橋さんが佐川さんに投げさせたヤシの実は、下でずっと待ってた坂本先生の隣にいた剛田先生によって、素手で叩きわられてしまった。




「ガキィィイ!!!ぶっ殺してやる!!!」

「やっべ逃げるぞ!!」




怖すぎる鬼ごっこが、幕を開けた。


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ゆずは(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。今回のお話もとてもよかったです。これからも応援しています! (2019年4月17日 3時) (レス) id: 4a89377b71 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とても楽しかったです!!!私は片桐くんも個人的に好きなので、お時間あれば片桐くん落ちも作って欲しいです!!これからも頑張ってください(*^^*) (2019年1月20日 11時) (レス) id: 7b4882295e (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴 - 番外編とっても楽しみです!これからも頑張ってください(*´ω`*) (2019年1月20日 10時) (レス) id: 732519457a (このIDを非表示/違反報告)
ねくらげ(プロフ) - これからの展開がめっちゃ気になります…!( *゚A゚) (2019年1月19日 11時) (レス) id: 7a5491ad26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しぃも | 作成日時:2018年12月31日 10時

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