26話 ページ26
ルーク視点
その言葉に驚きすぐに抗議の意を唱えた。
「いや! 軍にいたなんて2年も前ですし、今ならアッシュ隊長に勝てるはずありません! 自分は二等兵からで問題ないので、お気になさらないでください!!」
「本気のルーク隊長なら絶対勝てます! 二等兵なんて勿体なさすぎますよ!! それに、何の為に隊長という立場を守ってきたと思うんですか!」
「知らないよ!」
「ルーク隊長が見つかった時に立場を譲るために決まってるじゃないですか! ルーク隊長には恨みとかはありますけど、俺は! ルーク隊長の指示で戦争するのが好きなんです!!」
その言葉に戸惑い、次の言葉が出なかった。
皆を置いて自分だけ逃げた事に恨まれてるとは思っていた。だから、先程殺されそうになったのだと。
でも、俺の指示で戦う事が好きなんて初めて聞いた。そんな態度微塵もなかったのに。
俺たちの言い合いに愉快そうに笑った総統様が、俺たち2人に提案をした。
「なら戦うのはどうだ? 負けた方が勝った方の言うことを聞く、というもので」
アッシュは名案だと喜んでいたが、俺としては勝っても負けても変に目立ちそうで出来れば遠慮したい。まぁ、2人の様子を見ると無理そうだけど。
横目で書記長様を見ると、胃と額を押さえていた。かつてないほどの罪悪感に襲われたが、俺にこの流れを止める術はない。心の中で謝った。
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