23話 ページ23
ルーク視点
俺がこの国に来てから1ヶ月後、正式に軍に入る事になった。軍事施設に行くと、書記長である兄が待っていたのには驚いた。
軍に入ったばかりで与えられる階級は二等兵が主だ。自分もそうであるはずなので、またコツコツ頑張ろうと気合を入れていると兄に「こっちやで」とついてくるように言われた。
疑問に思いながらも後ろを歩く。横を通る兵士に2度見されるのは落ち着かない。居た堪れなさも感じつつついていくと、明らかに二等兵が来れる場所 (幹部の個室や会議室等がある) ではない所に入った。慌てる俺を余所にスタスタと彼は歩く。
書記長様が何も言わないのなら大丈夫なのだろうが、やはり不安である。戸惑っていると最上階の1番奥にある頑丈そうな扉の前に立ち、3回ノックした。
「グルさん、トントンやで。連れてきた」
「あぁ、入っていいゾ」
中からくぐもった総統様らしき声が聞こえる。まて、ここは構造的にも何も可笑しくない。え、俺が入っていいの?
じっと書記長様を見ると、ごめんとハッキリ書かれた顔で扉を開けた。彼が前を開けたので先に入れ、ということだろう。
「失礼します」
固い声が出る。
目の前に座っているのは、金髪碧眼のカリスマ性が高い、ただそこにいるだけで相手が屈するような雰囲気を持つ総統様だった。
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