眩しくて夢のような ページ38
田中くん side.
｢ほんとに実現しちゃうなんてすごいよね、あの二人。｣
隣にいる夢乃ちゃんに問い掛けるとそうだね、と返ってきた返事。
ついに迎えた文化祭当日、
俺と夢乃ちゃんは体育館の後ろのほうで二人の出番を待っている。
約二ヶ月前、俺が思い付きで提案したステージイベント。
ほんとに出るにしても出ないにしても、
ただ二人の距離が縮まればいいなって思ってのことだった。
｢なんか、羨ましいなぁ。｣
｢何が？｣
そうポツリと呟いた俺に夢乃ちゃんが不思議そうな顔をする。
｢才能があるって。｣
｢ふは、何それ。｣
｢なんか二人見てると眩しくてさ。｣
｢これで樹のお望み通り？｣
少し棘のある言い方とは裏腹に凄く穏やかな笑顔で夢乃ちゃんが言う。
｢うん、…まぁね。｣
｢なにその煮え切らない顔、｣
夢乃ちゃんは周りが良く見えてる子で勘もいい。
だから俺の心境をなんとなく見抜いてるんだろうなって思ってた。
きょものことを開花させたいなんて話を持ち掛けたけど、恋バナしたいだとかそれ以前にただ俺はきょものことを救いたかった。
案の定、夢乃ちゃんは気付いてるっぽいけど。
｢ぶっちゃけ開花作戦なんてただの口実でさ、きょもの心をこじ開けてくれる人が欲しかったんだよね。｣
｢一つ聞いてい？なんでAだったの？｣
｢んー、ぶっちゃけ直感？｣
｢なにそれ。｣
｢ほら俺、インスピレーション信じるタイプだから。｣
｢うざ！｣
そう言って夢乃ちゃんは笑ってくれる。
ただ単に最初は本当に賭けみたいなもんだった。
Aちゃんみたいな番人受けするモテ女子をあてがって恋でもすれば変わるかな、とか。
悪く言えば当て馬みたいになっちゃったけど、何かキッカケが欲しくて。
(いやでも、人を見る目はそこそこあると思ってる。)
情けないけど俺一人じゃ力不足だったから。
｢きょもって初めて会ったときから見るからに闇抱えててさ、自分を曝け出したりとか絶対しないし感情を押し殺してる感じあって。｣
｢うーん、まぁ確かに。｣
｢でもAちゃんは真逆で見るからに愛に溢れてる子じゃん？接してるうちにきょもにはこういう子が必要だったんだって思った。｣
｢なるほどね。樹のことだからなんか意図があるとは思ってたけど。京本くんの為を思ってのことだったってことね。｣
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紺(プロフ) - ぽむさん» わああ、ありがとうございます…！！頑張りましょう！！ (2021年6月19日 23時) (
レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - 紺さん» わ！コメントありがとうございます！学生ならではのもどかしい恋愛を描きたかったので嬉しいです！笑 実は私も密かに紺さんの作品とても楽しく拝見させて頂いてます^ ^ お互い自分のペースで更新頑張りましょうね！ (2021年6月19日 9時) (レス) id: 923510c876 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - 移行おめでとうございます！！近づいたり離れたりする距離感についニヤニヤしながら読ませてもらってます笑 これからも更新応援してます*^^* (2021年6月19日 0時) (レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽむ | 作成日時：2021年6月17日 1時
