・ ページ35
・
｢あはは、樹、まじやめて笑う！｣
｢食ってやる〜｣
｢うっざ！｣
なんて二人で笑い合ってる夢乃と田中くん。
いつの間にか樹、なんて呼ぶようになってるし私の知らないところで二人の距離は縮まってるんだなってちょっぴり嬉しくなった。
｢てか二人ともその格好いいね！めっちゃ似合ってる！｣
一通りゾンビのくだりを終えたのか急に普通のトーンで田中くんが言う。
｢夢乃ちゃんはまぁ、バイトでカフェ店員の姿いつも見てるからあれだけど、Aちゃんやっばいね！そのギャップ！メイクしてるのも新鮮！大人可愛い！｣
｢へへ、ありがとう。｣
すっごい褒められて素直に嬉しくなる。
さすが爆モテ男子、田中くん。
｢…きょもが喜びそう、｣
続けてそうボソッと呟いた声が聞こえて頭にハテナが浮かぶ。
ニヤニヤと笑っている田中くんになんで？と聞くと
なんでもなぁーい！とごまかされた。
｢樹！お客さん来た。｣
そう声が聞こえて振り返った先にはちょうど話題に出てきた京本くんの姿。
｢おー、了解！｣
彼を視界に捉えた途端、目を奪われた。
目の前にはヴァンパイアの衣装に身を包む京本くん。
めっちゃくちゃ似合ってるんですけど！？
その格好にも驚くけど、更に驚くのは目をハートにしてる周りの女子の集団たち。
女子を侍らせてる遊び人の貴族にしか見えない。
｢あれ、藤咲さん？｣
目が合ってしまって固まる。
何も言葉が出ずに呆然とする私を見て同じように驚いた顔で呆然とする京本くん。
その間、約数十秒だったんだろうけど時が止まったかのように感じた。
｢おーい！きょも？聞いてる？｣
田中くんの声で我に返る私たち。
｢ごめん、何？｣
｢もう！お客さん連れて来すぎ！こんなに人数入れないから！｣
｢だって勝手に付いてきたんだもん。｣
なるほど。
3組の看板を持つ京本くんは見た感じ客寄せ係。
校内をプラプラしてたら女子に囲まれたってことかな。
そりゃそうなるよ。
めちゃくちゃ目立ってるもん。
｢A？生きてる？｣
相変わらず呆然とその光景を眺めていると夢乃が覗き込んできた。
｢生き、てる。｣
｢すごいね京本くん。｣
｢うん、なんか、色々と。｣
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1641人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紺(プロフ) - ぽむさん» わああ、ありがとうございます…！！頑張りましょう！！ (2021年6月19日 23時) (
レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - 紺さん» わ！コメントありがとうございます！学生ならではのもどかしい恋愛を描きたかったので嬉しいです！笑 実は私も密かに紺さんの作品とても楽しく拝見させて頂いてます^ ^ お互い自分のペースで更新頑張りましょうね！ (2021年6月19日 9時) (レス) id: 923510c876 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - 移行おめでとうございます！！近づいたり離れたりする距離感についニヤニヤしながら読ませてもらってます笑 これからも更新応援してます*^^* (2021年6月19日 0時) (レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽむ | 作成日時：2021年6月17日 1時
