心臓を撃ち抜かれた ページ31
京本くん side.
藤咲さんが腕を怪我してから三日。
文化祭まではあと一日。
つまりはいよいよ明日にせまった文化祭。
｢ほんとに大丈夫？｣
｢大丈夫だよ！ほら！軽い打撲だし！｣
そう言って腕をブンブン振り回す藤咲さん。
｢ちょっと！無茶しないで！｣
ピアノの前に座る藤咲さんはあははっと笑っているけど気が気じゃない。
腕はもう大丈夫だから最終合わせをしようと藤咲さんからの提案で学校終わりにうちのスタジオで合わせることになった。
俺も最後に合わせておきたかったからよかったんだけど何より藤咲さんの腕が心配。
本人にしか痛みは分からないし無理させてるんじゃないかって思ってしまう。
｢少しでも痛かったらすぐ言ってね。｣
｢もう！心配しすぎだよ京本くん。｣
｢いやだって、｣
｢私が大丈夫って言ったら大丈夫なの！｣
そう京本くんが言ったじゃん、
なんて小声で呟くもんだから何も言えなくなってしまった。
｢ほら！早く始めよ！｣
｢はい。｣
ボーカルマイクを手に取り歌い始めた俺に続いて藤咲さんのピアノが音を奏でる。
その瞬間、スッと雰囲気の変わる瞬間が好き。
楽曲の世界に入り込んでる藤咲さんはやっぱりかっこいい。
凛とした表情にしなやかな指。
つい見惚れてしまうほど。
最初の歌い出しは俺、
Bメロから上ハモで入ってくる藤咲さんの声がスッと胸に落ちてくる。
この瞬間もたまらなく好きだ。
波長が合う、とはこういうことなんだなって改めて思う。
鼓膜を震わせる振動がガチっとハマる感じ。
周波数が物凄く一緒なんだろうと思う。
サビからの藤咲さんの主旋も切なげな表情が相まって何度聴いても鳥肌が立つ。
綺麗に響く高音に心が揺さぶられる。
好きなのかもしれない、
そう最初に自覚したのは
慎太郎がわざわざ
Aちゃんのことが気になるかも
なんてご丁寧にメッセージを送ってきてから。
直感で嫌だと感じた。
苦手意識のあった藤咲さんはギャップの塊で、
あの見た目で結構サッパリとした性格だし、何より歌声を聞いたときに衝撃を受けた。
音楽しか興味のなかった俺はまんまと彼女に魅了されて、
そこから一緒に過ごす時間が増えるほど惹かれていくばかりで、何より俺のことを肯定してくれる藤咲さんに安心感すら感じるようになってた。
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紺(プロフ) - ぽむさん» わああ、ありがとうございます…！！頑張りましょう！！ (2021年6月19日 23時) (
レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - 紺さん» わ！コメントありがとうございます！学生ならではのもどかしい恋愛を描きたかったので嬉しいです！笑 実は私も密かに紺さんの作品とても楽しく拝見させて頂いてます^ ^ お互い自分のペースで更新頑張りましょうね！ (2021年6月19日 9時) (レス) id: 923510c876 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - 移行おめでとうございます！！近づいたり離れたりする距離感についニヤニヤしながら読ませてもらってます笑 これからも更新応援してます*^^* (2021年6月19日 0時) (レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽむ | 作成日時：2021年6月17日 1時
