今は少しだけ ページ18
・
やっとやってきた土曜日。
相変わらず残業続きでクタクタな中、せっかくの休日だというのにあれが欲しいこれが欲しいとうるさい大我に付き合わされて絶賛買い物中の私たち。
と言っても側から見たら私一人なんだけど。
｢ねぇこれまじよくない？｣
だとか
｢うわ見て！かっけぇ！これ！｣
だとか一人騒ぐ大我にリアクションすることもできず無言でやり過ごすしかないのも結構辛いもんがある。
もうソファで寝るの嫌なんだけど！
と文句を言う大我がどうしても布団を買ってくれとうるさいのでとりあえずインテリアショップにきたはいいものの
｢Aこれ買っていい？｣
さっきから目的の品には目もくれずキョロキョロと周りを眺めてはいちいちリアクションするもんだから全く買い物の終わりが見えないんだが。
｢ねぇ聞いてんの？｣
いやだからここでいちいち返事をしてたらやばい奴なのよ私。
無視を決め込む私に不服そうな顔をする大我に
“早く布団選べ！！”とスマホに打ち込み顔の前に差し出した。
｢わーかったよ｣
そうふてぶてしく返事をして
｢そもそもAがベッドで寝かせてくれないからこんな面倒なことしてるんじゃん｣
とかなんとか付け足してくるから怪しくない程度に大我の背中を肘で小突いてやった。
｢痛った！｣
そんなの当たり前だ。
なぜ私が恋人でもない出会ったばかりの怪しい妖精に半分ベッドを譲らなくちゃいけないの。
そもそもシングルなんて一人で寝るように作られてるんだから例え恋人でもキツいもんがある。
その前になぜ私のお金で大我の布団を買わなくちゃいけないのかも疑問だけど。
｢どれがいいかなー｣
なんて言いながらふかふかと並んでいる布団を触って確認してから
これにする！と彼が選んだ布団はそこそこ値段のするやつだった。
｢まじか｣
ふと漏れてしまった心の声に大我がははっと笑う。
｢いいじゃんこれくらい、A普段引きこもっててお金使わないんだから｣
いや、失礼だな。
否定はできないけども。
”もっと安いのにしてよ！“
そうスマホに打ち込むも
｢これ買ってくれないなら今日から無理矢理ベッド半分使うから｣
そう大我に脅されて泣く泣く買わされた。
その後も大我の暇つぶしの漫画とか寝巻きとか色々買わされてお金が飛ぶったらない。
挙句の果てに｢ケーキ買って帰ろ｣なんていかにも自分が買うから！みたいな口調でそう言う彼に溜め息しか出なかった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 309人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽむ | 作成日時：2021年7月25日 12時
